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それまで単色の染付磁器や青磁しかなかった有田焼で、赤絵物の焼成を初めて成功させたのが、初代柿右衛門でした。1647年、長崎の港において加賀藩の買物師に初めて赤絵の作品を売ったのを皮切りに、当地の唐人やオランダ人にも買われるようになり、貿易が始まります。この、最初に売った年を柿右衛門では赤絵の始まりとしています。
柿右衛門の赤は、柿を見て色を完成させたというエピソードで知られていますが、その配合・調合は代々の柿右衛門本人にしか許されないもので、配合帳は秘伝の書となっています。
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紅梅に緑の鳥を組み合わせた「梅鳥紋」は、江戸時代から受け継がれる代表的な文様の一つ。柿右衛門らしい余白を生かした絵柄は品格に満ち、高い美意識が感じられます。
201,000 Points
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赤色の元となるのはベンガラ(酸化鉄)です。水を張った甕にベンガラを入れて寝かせる期間はなんと十年。この長い期間は、塩分や水溶性の不純物を徹底的に取り除くために必要とされ、さらに仕上がったものを細かく摺って仕上げていきます。この摺る作業が許されているのも当代一人です。
柿右衛門を象徴する鮮やかな「花赤」は、粒子が最も細かく、作るのが難しい色です。「濃赤(だみあか)」という黒味のやや強い赤は、柿文様の柿に使われます。この他、輪郭を描くのに使われる「赤カバ」など様々な赤が作られます。
このように秘伝の秘でその代の柿右衛門が丹精込めて作り上げる赤色に、代による個性を見出すのも、鑑賞の愉しみです。中でも、原料にこだわり発色を追求した十四代の赤はとりわけ美しいといわれています。
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江戸期から伝わる代表的な絵柄「牡丹鳥文」です。洗練された形と生き生きと描かれた鳥の様子が愛らしく、そのまま飾っても絵になる花瓶です。
101,000 Points
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もう一つの大きな特徴が「濁手(にごしで)と呼ばれる素地(下地)です。素地の色は陶石によって異なり、初代柿右衛門は赤絵が映える温かみのある乳白色の素地色を追求しました。
江戸中期ごろに濁手の製作は一時、途切れてしまいますが、十二代柿右衛門と十三代柿右衛門の努力により、1953年に復活。その製陶技術は国の重要無形文化財に指定されました。
「余白の美」と称賛される柿右衛門の絵付けですが、余白の美しさを演出しているのが、温かみのある乳白の濁手です。ちなみに濁手とは佐賀で米のとぎ汁のこと。海外では称賛の意を込めて「ミルキーホワイト」と呼ばれます。
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紅梅に緑の鳥を組み合わせた「梅鳥紋」は、江戸時代から受け継がれる代表的な文様の一つ。柿右衛門らしい余白を生かした絵柄は品格に満ち、高い美意識が感じられます。
141,000 Points
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大和絵を手本にした花鳥風月をモチーフに、左右非対称に描かれた文様も、柿右衛門の特徴です。日本画風の文様が定着したのは、三、四代柿右衛門の頃とされ、「鹿紅葉」「粟鶉(あわうずら)」「波千鳥」「秋草」「松竹梅」などがよく描かれました。その作品の美しさが評判を呼び、「柿右衛門様式」として定着していきました。柿右衛門様式が確立した四代、五代の頃の焼き物は、現在も手本とされています。
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薄く挽いた素地とやや反った縁が心地よい口あたりを約束してくれます。柿右衛門様式の大和絵の柄も、洋食器に描かれるとモダンな印象です。
51,000 Points
51,000 Points
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今回ご紹介している作品にもある「柿文」のデザインは、十二代が考案したものです。ぽってりとよく熟れた柿の様子が、鮮やかな赤で描かれています。大学で日本画を学んだ十四代は、野山の草花を生き生きと描いた作風で知られています。中でも、桜・梅・山つつじを3面に描いた三方割は、国指定重要無形文化財に認定された代表作です。同じく日本画を専攻した十五代は、瑞々しい感性で独自のモチーフを開拓、団栗文様は一番最初に描いた文様だといい、以来、自分の原点として描いているモチーフだと言います。
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小ぶりの一輪生(いちりんいけ)は、柿右衛門を代表する「柿文」と、愛らしい小花を描いた「藪手毬(やぶてまり)文」の2種類をご用意しました。テーブルや床の間など飾る場所を選びません。
31,000 Points
31,000 Points
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佐賀と長崎との県境近くに位置する柿右衛門窯は、初代酒井田柿右衛門が築窯、以来十五代続く有田一の名窯。工程は細かく分業化され、それぞれの工程を高い技術力を持った数十人の職人が担っている。当主である柿右衛門は、自身が作家であると同時に、すべての工程を監督するプロデューサーでもある。
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可憐な撫子(なでしこ)を繊細な絵付けで表現。柿右衛門の絵柄の中でもモダンな文様の一つです。ご使用・ご鑑賞どちらでも贅沢な揃いの作品です。
101,000 Points
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1968年生まれ。
多摩美術大学絵画学科(日本画専攻)を中退後、父、十四代酒井田柿右衛門に師事。
2014年十五代酒井田柿右衛門を襲名。日本各地にて十五代柿右衛門展を開催、現在に至る。
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柿右衛門を代表する柿文を立体的に表現。来客にお出しすれば思わず笑みがこぼれそうな箸置です。代々の柿右衛門が手掛けているモチーフです。
31,000 Points