春と秋のお彼岸な似たような行事、という印象があるかもしれません。マナーの面でも違いがあるのでしょうか? 秋彼岸のお供えの選び方や法要のお布施などの基礎知識を見ていきましょう。
秋のお彼岸とは?
秋のお彼岸は「秋分の日を中心とした前後7日間」
お彼岸の日程は、春分の日・秋分の日を中日とした7日間。彼岸の中日は「昼と夜の長さが同じになる」ことから、極楽浄土と現世が最も近くなる特別な日と考えられており、「魂祭り」「祖先のお祭り」をする日だったことから、祖先の墓参りをするようになりました。
春分の日・秋分の日は地球の公転状況によって決まるので、お彼岸の日程も年によって前後することがあります。
今年の「秋のお彼岸」はいつ?
2022年~2027年の「秋のお彼岸」の日程は下記の通りです。
概ね9月20日~26日ですが、2024年だけは9月19日~25日になっています。この年は秋分の日が日曜日に重なるので、翌9月23日(月)が振替休日になることもポイントです。
彼岸入り | 秋分の日 | 彼岸明け | |
---|---|---|---|
2022年 | 9/20(火) | 9/23(金) | 9/26(月) |
2023年 | 9/20(水) | 9/23(土) | 9/26(火) |
2024年 | 9/19(木) | 9/22(日) | 9/25(水) |
2025年 | 9/20(土) | 9/23(火) | 9/26(金) |
2026年 | 9/20(日) | 9/23(水) | 9/26(土) |
2027年 | 9/20(月) | 9/23(木) | 9/26(日) |
秋のお彼岸のお供え物は?
春の「ぼたもち」が、秋には「おはぎ」に
春のお彼岸のお供え物といえば、お米をついて丸めたものに餡をまぶす「ぼたもち」ですね。
秋のお彼岸では同じ材料・作り方の「ぼたもち」が、「おはぎ」と呼ばれます。これは、春は「牡丹」、秋は「萩」と、それぞれの季節に咲く花になぞらえて呼ばれるからだといわれます。
お供え花の種類を季節に合わせても
今は花の栽培方法なども発達し、花屋では年中さまざまな種類の花が見られます。しかし、昔は春と秋で咲いている花が違い、お供え花の種類も自然と変わってくるものでした。
故人の好きだったお花があればそれをお供えするのが何よりですが、菊やリンドウ、桔梗、ケイトウなどといった季節の花を選んでお供えることも、よい供養になるでしょう。
彼岸花はお供えしてはいけない
秋のお彼岸の頃に赤くきれいな花を咲かせる彼岸花(曼殊沙華)。季節の花ですし、仏教由来の別名もあって一見よさそうですが、毒性があり(触るだけなら無害です)、昔から墓地に咲く花というイメージもあって、縁起が悪いとする向きがあります。お供えにするのは避けておきましょう。
お供えの花には毒やトゲ、強い香りのないものを選びます。毒のある彼岸花と同様に、トゲのあるバラなどもお供えには適さないと言われます。「故人がバラを好んでいた」など特別な事情がある場合は、事前にトゲを取り除いてお供えするとよいでしょう。
秋のお彼岸のお布施は?
相場もマナーも基本的に春と同じでOK
お供えにはちょっとした違いがある春彼岸・秋彼岸ですが、法要のお布施の相場やマナーなどは基本的に変わりません。
お布施は、自宅へ僧侶を招く場合は30,000円~50,000円前後、お寺が営む法要に参加する場合は3,000円~20,000円前後が相場とされます。お金は奉書紙でたとう包みにするか白い封筒に入れ、裏面には施主の氏名住所を書いておきましょう。自宅の場合は切手盆、お寺に伺う場合は袱紗の上に乗せ、直接手に持たないようにしてお渡しするのもポイントです。
お布施はお経の代金ではなく、僧侶を介して差し上げる「仏様へのお供え」です。お経をあげていただいたことへの感謝の気持ちはお布施と別だと考え、お渡しの際には忘れずにひとこと伝えるようにしましょう。
詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
春のお彼岸は何をお供えするの? お供え物のマナー
お彼岸の法要マナー お布施の表書きや渡し方
【お彼岸の基礎知識】やってはいけないことはどんなこと?