【お彼岸の基礎知識】やってはいけないことはどんなこと?

一般的に「○○はいけない」とされていることも、実はタブーやルールではなく、皆が気持ちよく過ごすための気づかいだったということは少なくありません。お彼岸の「やってはいけない」ことについてはどうでしょうか。早速見ていきましょう。

イラスト:菊の花束を持って病室にお見舞いに来た若い男性。「お見舞いは嬉しいけど菊はお墓参り用だよ(僕まだ生きてるよ)」とベッドの上の男性に言われ、驚き焦っている。

お彼岸にやってはいけないことは、実はない!

結婚も、お宮参りも、引っ越しも、納車や工事着工も本来はOK

「お彼岸に○○をやってはいけない」と言われることはよくありますが、実は仏教においては、お彼岸だからといって、忌中や喪中のように祝いごとなどの行事を避ける根拠は特にありません。いわゆるタブーというわけではないのです。では、なぜお彼岸に祝いごとなどの行事が避けられるようになってしまったのでしょうか。

タブーではなく、行事が重なると慌ただしいから避ける?

お彼岸は、お墓参りをしたり、お寺の法要に参加したり、家によっては僧侶を招いてお経をあげてもらったりとやるべきことが多く、特に行事がなくても忙しい期間です。連休となることも多く、帰省や旅行などで移動する人も少なくありません。

「やってはいけない」と言われるはっきりとした由来はわかりませんが、おそらく別の行事が加わると、「参加する人が慌ただしくなってしまう」、「ご先祖様の供養が疎かになってしまう」という配慮から、日時を調整できるほかの行事は避けられてきたのではないでしょうか。

周囲への気づかいとして避けたいお彼岸の行事

結婚式や引っ越しはタブー?

タブーではないとはいえ、忙しい時期に行事が重なるのは避けたいところです。結婚式は遠方から人が集まったり、引っ越しは人やモノの移動があったり、準備や後片づけにも手がかかります。

お彼岸にこれらの行事を行っても皆が忙しくならないとわかっていればよいのですが、バタバタしそうであれば時期をずらすなどの配慮をしたいところです。

お見舞いは「縁起が悪い」と見る向きもある

仏教としてのタブーではないのですが、気をつけたいのがお見舞いです。なにせ、お彼岸といえばご先祖様のお墓参り。この期間にお見舞いに来たとなると、「まだ生きているのに、まるでお墓参りに来られたようで縁起が悪い」と考える向きもあるからです。お墓参りに帰省したついでにお見舞いに行くというケースもありますので一概にはいえませんが、心に留めておきましょう。

お見舞い以外も、参加する人の気持ちに沿って考えて

「お彼岸に○○はやってはいけない」と考える人にも、それぞれの気持ちや事情があります。タブーではないからといってお祝いなどの行事を強行するのではなく、まずはそれぞれの気持ちに沿って、気持ちよく進められる方法を考えてみましょう。

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