贈り物を包む包装紙、どのように選んでいますか? 色や柄、紙の硬さや光沢など、包装紙によって贈り物の印象が変わります。こちらでは、手に入りやすい包装紙の特徴や、適した包み方、慶弔の包装紙のポイントをご紹介します。
箱を包む場合は硬めの包装紙
箱を包むための包装紙は、持ち運び時に隅がへたらないように、以下にあるような、普通〜硬めの包装紙を選ぶのがおすすめ。箱の形に沿ってピシッと包まれていると、きちんとした印象になります。
色上質紙
いわゆるコピー用紙が上質紙にあたります。これに着色した紙が色上質紙です。ツヤツヤした光沢がないため、落ち着いた雰囲気に仕上がります。印刷しやすいため、連続した模様が連なる和柄や、お子さま向けのかわいい柄など適しています。色の種類も大変豊富です。
クラフト紙
クラフト紙は光沢がなく、紙袋として用いられることが多い白い紙です。茶色の「未晒(みざらし)クラフト紙」は梱包紙としても用いられますが、包装紙に使うとナチュラルなテイストに仕上がるので人気があります。
また、封筒などに使われる、茶色で筋が入った薄いクラフト紙は「筋入クラフト紙」といいます。こちらは表面がツルツルしていて、独特な風合いがあり、少しレトロな雰囲気があります。
コート紙
表面に塗料を塗布しているため、表面にしっかりした光沢があるコート紙は、デパートや百貨店の贈答品向けに用いられてきました。豪華な柄や、濃い色、金銀などが映える紙です。
クレープ紙
細かなシワ加工がされた紙です。シワ加工のおかげで緩衝性があり、お皿などのワレモノを保護する際にも用いられています。シワ加工の風合いに高級感があるので、包装紙としても適しています。
ふんわりと包む場合は柔らかい包装紙
複雑な形をした物や、手作りの小物、小分けしたお菓子など、箱に入れていない贈り物は、柔らかい包装紙でふわりと包んでみましょう。柔らかい包装紙は巾着のようにして絞り口にリボンを巻いたり、四角く包んでカラー紐を十字にかけたり、ピシッと包むのが苦手な方でもキレイに仕上げやすいです。
薄葉紙
薄葉紙(うすようし)は、透け感があって、表面がさらりとしていて、裏面は少しザラつきのある包装紙です。購入したシャツやかばんなどが包まれている白くて柔らかく薄い紙と言えば、イメージがつくのではないでしょうか。
購入品に用いられるのは白いタイプが多いですが、薄葉紙は色柄が豊富です。透けることを利用して、柄物と単色の薄葉紙を重ねるなど、工夫を凝らして楽しめます。
1枚では中身が透けるため、中身が見えてもOKか、それとも見えないように重ねるのが適しているか、贈るシチュエーションや品物で考慮する必要があります。
薄葉紙似た紙には、薄葉紙よりも透け感が強く、パリパリしたさわり心地の「グラシンペーパー」があります。
不織布
使い捨てマスクでおなじみの、布のような手触りの紙です。柔らかさと丈夫さを兼ね備えた包装紙で、ミニブーケのラッピングなどにも使用されています。異なる色の不織布を重ねてもかわいらしく、風呂敷のように結び目を作って包むような使い方もできます。
ワレモノ・繊細な品は、緩衝材を忘れずに
お店で購入した贈答品には、中身が傷ついたり割れたりしないよう、緩衝材が入っていることがあります。ご自身でラッピングする際にも、ワレモノや繊細な品物には緩衝材を忘れないようにしましょう。
先に上げた「クラフト紙」「クレープ紙」「薄葉紙」などは、緩衝材としても使用できます。そのほか、クラフト紙に細かな切り込みが入っていて、伸ばすと網目状になる「クッションペーパー」、裁断した細い紙で、箱の隙間を埋められる「紙パッキン」などがあります。
色柄は、慶事・弔事ともに「らしさ」を大切に
包装紙は「贈るシーンに合わせた色柄であるか」も、とても大切です。特に、お祝いごとや、葬儀などの法事やお見舞いなどの喜ばしくない場合の贈り物は、そのシーンを意識した色柄の包装紙を選びましょう。
お祝いごとには、鮮やかな色や明るい色、主張のある柄も喜ばれます。お相手の好みや、お渡しする中身に合わせて選んでみてください。
また、着物や手ぬぐいなどに用いられる、繰り返しのパターンの和模様が入った包装紙もステキです。和模様には「七宝つなぎ」「千鳥文(ちどりもん)」「麻の葉」など、縁起の良い柄が多くあります。
一方、弔事の際に縁起の良い柄は不適当です。和装の際、弔事でも問題のない柄としては「流水模様」や「紗綾形(さやがた)」があります。弔事の包装紙で和柄を選ぶ際にも、このルールに合わせておきましょう。和柄の包装紙はシックにも派手にもなって使い勝手が良いですが、うっかりふさわしくない柄を選ばないよう、念のため調べておきましょう。
慶事と弔事では、包装紙の合わせ目に違いがある
ご自身でラッピングする際に見落としがちなのが、慶事・弔事の包み分けです。箱の向きや、左右の合わせ目のどちらが上になるのかなど、知る機会も少ないので、おさえておくと良いでしょう。
慶事・弔事の包み方は、こちらで図解しています。
お相手やシーンにあわせて選ぼう! さまざまなギフトのラッピング方法