会社の設立・創立・創業の記念日には、式典やイベント、記念品の配布などが行われます。日ごろの感謝を伝え、これからのさらなる発展を目指し、社内外へアピールできる大切な節目です。今回は、周年記念イベントを行う意味や、周年記念品の選び方を解説します。
会社設立・創立・創業の違い
周年記念のイベントは、設立・創立・創業のいずれかで○周年というタイミングで行います。それぞれが違った意味を持ちますので、イベント担当者になった際には言葉選びを誤らないよう注意が必要です。
創業
事業を新しく始めることを指します。「業務を始める=創業した」ことになるため、法人登記した日とは限りません。
創立
組織や機関を初めて設立することで、企業だけでなく、学校や団体にも用いる言葉です。初めて立ち上げた組織や機関に対して用いるため、子会社等の設立は創立とは言いません。
設立
法人などの組織を新たに作り設けることです。登記申請をした日が設立日となります。したがって、登記を伴うならば、関連する子会社や事業をスタートさせた場合も設立と言えます。また、学校に対しては用いない言葉です。
会社設立(創立・創業)記念を祝う意味
会社設立(創立・創業)から○周年を迎える節目には、記念式典や周年イベントが行われたり、記念品を配ったりします。
式典・イベントの形式はさまざまで、社員のモチベーションアップや労いのために内々で行ったり、企業PRや謝恩を兼ねて取引先の関係者をお招きしたりと、目的や規模は会社によってさまざまです。内々でお祝いする場合は、社内表彰式を組み込んで、MVP表彰や永年勤続表彰の授賞式を行うケースもあります。
大きな会場を借りて大々的に行う式典や、社員を慰労する旅行、取引先を招いた懇談会などさまざまですので、周年記念にあたっては「誰を対象に、どんな目的で」を明確にしておく必要があります。
コロナ禍においては、イベントは縮小傾向に
コロナ禍では県をまたぐ移動や「三密」を避けるために、会社設立(創立・創業)記念のイベントは中止・縮小を余儀なくされています。しかし、このような状況下だからこそ、これまでの感謝を社内外に伝えたいところです。記念品の配布やオンライン式典、動画メッセージの配信など、安心して実施できる方法を検討してみましょう。
設立(創立・創業)記念品の「のし・水引」
記念品ののしには、水引の上部に「○周年記念」 「設立記念」「祝 創業記念」「記念品」、水引の下部に社名を入れます。水引は“何度あってもうれしい”という意味をこめて、紅白のちょう結びを選びましょう。
「内のし」「外のし」のどちらにするかは、厳密な決まりはありません。配送でお贈りする場合、搬送中にのしが破けないように、記念品に直接のしをかけて上から包装紙で包む「内のし」が一般的です。手渡しする場合は、何のための品かがひと目で分かるように、のしが包装紙の上にくる「外のし」がよく使われます。
記念品の選び方
会社設立(創立・創業)記念の品を選ぶ際は、実用的であること、手渡しできるかさばらないサイズであることをポイントに選ぶとよいでしょう。
記念品の予算は会社によって異なり、また、お贈りする範囲(社員・お客様・取引先など)も異なりますので、まずは自身の会社の前例を確認しておきましょう。
ペンや付箋といった文房具は使いやすいため、記念品の定番アイテムです。どら焼きやカステラ、せんべいなどのお菓子もお相手を選ばずお贈りできます。また、USBメモリといったデジタルアイテムや、断熱タンブラー、スープジャーなども実用的な品として人気です。
ギフトカードやクオカードは、お相手にとっては使いみちが自由で、会社にとっては券面にオリジナルメッセージを印刷して気持ちを伝えることができるため、双方にとって利便性の高いアイテムです。
また、カタログギフトは好きなものを選んで取り寄せられるため、「ギフトカードのような金券は直接的過ぎる」と考える方にも喜んでいただけます。
「名入れ」をする際の注意
社名や式典の日、○周年などを入れる「名入れ」は、いかにも“記念品”という感じがするため、せっかくだから入れておこうと思われるかもしれません。しかし、記念品によっては名入れがあることで使いにくくなることがあります。
例えば、自宅で使うことを想定した置き時計やグラス等は、「プライベートな空間で社名が入っているアイテムは使いにくい」と考える人が多いようです。また、特に社外の招待客にとっては、企業ロゴが目立ち過ぎる記念品は困りものかもしれません。
どら焼きやカステラ、せんべいなどは、そのもの自体に社名や周年の刻印ができて見栄えがよく、ずっと置いておくものでもないので、大きく名入れするのならこれらを選ぶのがおすすめです。
名入れは「目立ちすぎないように配慮する」「入っていても困らないものに入れる」など、使っていただく場面を想像して決めるようにしましょう。品物には名入れをせず、外箱に名入れをするという方法もあります。