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2017年3月11日と12日の2日間に渡り開催された、ギフトラッピングコーディネーター講習会の模様を取材し、講師の先生にお話を伺いました。
ラッピングの基礎を学んでスキルアップ
この日の講師は、リンベル ラッピング大賞の出産部門で優秀賞を受賞された登坂恵子さんと、同じく出産部門の佳作に入賞された木内悦子さんです。
初日午前中は贈答に関する一般知識や、紙とリボン、カラーに関する知識の講義。昼食をはさんで午後は包装やリボンのかけ方等、ラッピングの実技講習。そして講師として現在活躍されている方の体験談。
2日目は、午前中から午後にかけてラッピングの実技を行い、後半に実技とペーパーテストという、とても密度の濃い内容です。
一口にラッピングと言っても、贈るものや形等によって、選ぶ素材や手法も異なります。
今まで自己流でラッピングしていた方が、講習会で包装紙の扱い方や、美しく包むための下準備、ちょっとした道具の使い方を学ぶことで、同じものを同じように包んでも仕上がりがぐんとよくなります。
講習では、まず先生がお手本を見せて、次に受講生の皆さんがチャレンジします。
頭では手順を理解していても、実際に手を動かしてみるとなかなかうまくいかなかったり段取りを間違えたり。それでも何度かやるうちに、徐々にきれいにラッピングできるようになります。
みなさん時間の許す限り、何度もチャレンジして自分の技術として習得していきます。
ラッピングを通じて仕事の世界が広がる
講師のお二人に、ラッピングをお仕事として始めたきっかけや現在のお仕事、今後の目標などについてお話をお伺いしました。
「元々は専業主婦でしたが、趣味のお花が高じてフラワーアレンジメントの教室を始めました。
そこからラッピングも学ぼうと言うことで友人に誘われ講習会に参加したのですが、その講習会が6万円ととても高く、しかも教え方がぞんざいだったことから、「元を取らなきゃいけない」という反骨精神で猛勉強を始めたのがきっかけです。
徐々にギフトラッピングの面白さや奥深さを知り、講師の資格を取って、さらに水引やカラーコーディネーター等の知識を深め現在に至っています。」
「私は保育士として働いていたので、日常の業務の中で、例えば女の子の髪を結んだり、折り紙やクリスマスプレゼント等を可愛く包んであげたいという願望が強く3日間の講習を経てラッピングコーディネーターの資格を取りました。テレビでKinki Kidsの光一君が「資格を取りましょう」と言っていたのを見たのも動機です(笑)。
公務員でしたので副業はできないため、3年前に保育士を辞めて、今はラッピングの仕事をしています。」
お二人が始めたきっかけはそれぞれ異なりますが、前のお仕事を深めるための勉強として始めたラッピングのお仕事がいつしか本業になっていたという点は共通しています。
講義をしている姿や表情もイキイキとしていて、ラッピングに愛情をもって接していることがよく伝わってきます。
講習会で、始めは真剣に聞きすぎるあまり、やや表情の硬かった受講生の皆さんも、実技を通じてコツを吸収し、出来たという達成感に満ちた表情をされるようになりました。
登坂先生が大事にされている「指導はきっちり、そして笑顔」まさにそんな言葉がぴったりです。
これからのラッピング業界を支えていきたい
今後の目標については
「現在は企業からのお仕事も増えているけれども、自分で行うというより育ってきたスタッフに仕事を任せています。これからも若い人材を育成して業界に還元していきたいです。」(登坂先生)、
「自分でも素敵な作品を作ってみたいし、多くの人に自分で作った喜びや上げる喜びを伝えていきたいです。」(木内先生)
と、後進の指導に意欲的です。
二日間の講習を経て、ラッピングの奥深さや興味を深めた受講生の皆さん。それぞれの日常に戻って現在のお仕事や趣味に活用されたり、やがては講師のお二人のようにラッピングコーディネータとして活躍される方も出てくるかもしれません。
ご興味がある方は是非こうした機会を利用されて、ラッピングの奥深さに触れていただきたいと思います。
一般社団法人全日本ギフト用品協会
理事・会長 板川信夫氏
1987年創立
主な事業内容