お茶は慶弔どちらの贈り物にも良いとされますが、香典返しによく使われるイメージが強いのか、お祝いごとではむしろ避けられることすらあるようです。では、お茶はなぜ香典返しで多く用いられるようになったのでしょうか。
お茶にはさまざまな意味合いが込められている
お茶はもともとお供えに使われていた
お茶は平安時代に中国から僧侶たちによって伝えられたといわれています。当初は嗜好品としてよりも万能の薬として使われていました。また、毎日仏壇にお茶を供える習慣もありました。その後、お茶は庶民にも広まり、仏事の供え物としてお茶が定着したという説があります。
このことから、お相手の健康を気づかい、お茶を飲みながら故人を偲んでいただけたらという気持ちを込めてお茶が選ばれています。
お茶には故人との別れを区切るといういわれもある
お茶の木は昔、土地の境界を示すものとして植えられていたことから、お茶の香典返しにはこの世とあの世の境界を区切り、故人との別れを受け入れるという意味があるとも言われます。
実用に優れるのもお茶が選ばれる理由のひとつ
お茶は今なお多くの家庭で飲まれている
香典返しは悲しみがいつまでも残らないように、食べたり使ったりすることで形が消える「消えもの」が選ばれています。なかでもお茶は、食事にもお菓子にも合い簡単に淹れられます。自分たちが飲むのはもちろん、お茶が好みでない場合でも来客時にお出しすることができるため、よく使用されています。
軽くてかさばらず、日持ちするので持て余しにくい
お茶は乾燥させて水分が抜かれているので、軽くてかさばりません。慌ただしい葬儀や法事の席でもサッとお渡しできて、いただいた方も持ち帰りやすいです。また、賞味期限は半年から1年とかなり長いため、贈り物として適しています。
最近はコーヒーや紅茶など広い意味での“お茶”が選ばれることも
長らく香典返しのお茶といえば緑茶が主流でした。最近は、香典返しにコーヒーや紅茶など、広い意味での“お茶”が選ばれることも増えてきました。ドリップパックやティーバッグなど、若い方や一人暮らしのかたでも手軽に飲むことができる品が人気のようです。
また最近では、コーヒー・紅茶・お茶など好みのものが選べたり、これらが不要の際には他の選択肢も選べるカタログギフトも香典返しの定番となっています。