葬儀の後、一定の期間で喪に服することは知っていても、その由来など詳しいことはなかなか知る機会も少ないもの。ここでは、忌服(きふく)や忌引(きびき)休暇について知っておきたいことをまとめました。
はじめに
「喪に服する」という慣習について、現代ではその本来の意味や形式よりも、故人を尊び偲ぶ気持ちが大切にされているようです。ライフスタイルの面からも、従来通り形式を守るのは難しくなってきています。
「忌服(きふく)」「忌中(きちゅう)」「喪中(もちゅう)」とは?
忌服(きふく)とは「身内の死に際して身を慎む」こと
忌服(きふく)というのは、本来「肉親や親戚の死に際し、一定期間自宅にこもって身を慎み、故人の霊に仕える」こと。死を穢れとして忌み憚ったことから「忌」、喪にこもることを指して「服」といいます。「忌中(きちゅう)」「喪中(もちゅう)」は忌服(きふく)の期間を指します。
一般に「忌中(きちゅう)」は四十九日、「喪中(もちゅう)」は一年
「忌中(きちゅう)」は、一般的に香典返しを用意する頃、仏式では四十九日、神式では五十日祭まで、キリスト教であれば一か月後の召天記念日(または五十日祭)までとされることが多いようです。また「喪中(もちゅう)」は一年間とされることがほとんどです。
忌引休暇について
配偶者で10日、両親で1週間程度が一般的
職場や学校などの忌引休暇はそれぞれによりますが、だいたい本人の配偶者が亡くなった場合で10日、両親の場合で1週間程度とされていることが多いようです。近隣であれば職場の方に弔問していただいたり、遠方でも供花をいただくことがありますから、忌引休暇を取る場合ははっきりとその旨を伝え、斎場などの連絡先も分かり次第伝えるようにしましょう。
忌引休暇後は平常の生活に戻ることが多い
「忌服(きふく)中は身を慎む」とは言っても、忌引休暇が終われば元どおり仕事や学業につとめなければなりませんから、休暇終了後は平常の生活に戻ることがほとんどでしょう。
どこまで「慎む」かはケースバイケースで
結婚式など慶事への参加は立場や事情にもよる
本来、喪中(もちゅう)には慶事、祭典などへの出席を控えるとされています。ただ最近では、忌明け後のことであったり、ある程度故人から遠い親族のこと、自分が招待される側などであれば、柔軟に考えるケースも多くなっています。とはいえ「忌中(きちゅう)に故人に近い親族が結婚式を挙げる」、「喪中(もちゅう)に年賀状を出す」といったことはできれば避けたいところです。
年賀欠礼の挨拶状は早めに
喪中(もちゅう)の慣習として最も身近なのは、年賀状のやり取りを辞退することではないでしょうか。この場合は11月頃からなるべく早めに「年賀欠礼の挨拶状」を送るようにしましょう。お相手が年賀状の準備をしてしまってからのお知らせにならないよう、気をつけたいものです。