結婚式の引出物の定番、「鰹節」。ここでは、鰹節がめでたいとされる意味や由来、よく用いられる理由などについて調べてみました。
実は鰹節は「カップル」の食品だった!
鰹節は夫婦の象徴
鰹節は鰹を3枚に下ろしたその半身を、さらに2枚に下ろして作られます。このことから、鰹節には鰹の背側の身で作られる「雄節」と、腹側の身で作られる「雌節」の二種類があります。この雄節と雌節が2本ぴったりと合わさる形になっていることから、鰹節は「夫婦の象徴」とされ、結納や結婚式などで用いられるようになったと言われています。
“しきたり品”としても定番
結婚式の引出物は、主となる品に“引き菓子”やおめでたいとされる“しきたり品”を加えて、3品、あるいは5品など「奇数になるように」贈るのがよいとされています。この“しきたり品”には地域によってさまざまなものが見られますが、鰹節や昆布、赤飯などはその中でも定番となっています。
縁起物に見立てられあらゆるお祝い事に
鰹節はこの他にも、「勝男武士」の字をあてて「男性の力強さの象徴」とされたり、「切り口がおめでたい“松”の年輪に似ている」、「冬でも枯れない」、「雄節と雌節の合わさった姿が長寿の象徴“亀”の甲羅に似ている」など、さまざまな縁起物に見立てられ、結婚内祝いや、婚礼関連以外でもあらゆるお祝い事のギフトに選ばれています。
実用性の高さも長い人気の秘訣
和食の必需品!食品としても優秀な鰹節
鰹節は出汁や薬味、和え衣やご飯のお供など和食には欠かせない食材のひとつ。栄養価が高く、水分が少ないことから長期保存もできる……という「実用性の高さ」も見逃せません。長持ちする=末永い幸せといういわれもありますから、まさに幾重にもありがたい品なのです。一昔前の家庭では、鰹節は1本丸ごと保存しておき、専用の削り器を使って削り出すものでしたが、最近はあらかじめ削り出された「削り節」の袋詰めがよく見られます。ギフトもやはり、軽くて持ち運びに便利で、家庭でも使いやすい削り節が多くなっているようです。
鰹節の極上品!「本枯節」とは
鰹節は、製造工程のひとつ「黴付け」を何回施すかで呼ばれ方が変わります。1回でも黴付けされていれば「鰹節」ですが、2~3回で「枯節(かれぶし)」、3~4回以上ともなると「本枯節(ほんかれぶし)」と呼ばれます。本枯節は鰹節の中でも香りや味に優れた極上品。もちろん、引出物にも大変喜ばれます。