お中元・お歳暮などの季節のご挨拶にはじまり、慶事があればお祝いをお贈りし、お祝いをいただけばお返しとして内祝いを贈るなど、日本には多彩な贈答の習慣が根付いています。それらには地域差がありますが、北海道は特にユニークです。今回は、北海道独自の贈り物に関するマナーや時期、風習について詳しく解説します。
北海道の独自マナー①短冊のし(熨斗)
短冊のし(熨斗)とは
短冊のしとはのし紙の簡略版といえるもので、贈る目的や贈り主の名前といった表書きを記載して贈答品に添える短冊です。品物の全体を覆う通常ののしがかけられない形状・性質の贈答品にかけるほか、贈る目的を控えめに表現したい場合に使うのが一般的です。
北海道は短冊のし(熨斗)を使用することが多い
内祝い・お中元・お歳暮・粗品など、短冊のしは全国的にさまざまなシーンで使用できますが、特に北海道では短冊のしが多く使用される傾向があります。のし紙と比べて使用する紙が少なくてすむため、エコな観点でも普及が進んでいますが、北海道の場合はのし紙をかけた上に短冊のしを添えることもあり、特に出産祝いなどに添えられた短冊のしを、神棚に飾るという慣習があるようです。
また、短冊のしを添える位置も、北海道はユニークです。全国的にお祝い・内祝い・お中元・お歳暮・一般的な贈答品の短冊の位置は右上、香典返しなどの弔事は左上につけるのが主流ですが、北海道では慶事・弔事ともに中央やや右寄りに添えます。
北海道の独自マナー②お中元・お歳暮の時期
お中元を贈る時期は7月15日〜8月15日
お中元をお贈りする時期は、東日本は7月前半、西日本だと8月前半が目安です。お中元の起源がもともとはお盆にあるため、お盆の時期の地域差がそのままお中元シーズンになったと考えられます。地域を超えて全国に配送されるようになった現代では、全国配送の際は関東に時期をあわせるのが主流です。
さて、北海道でお中元を贈る時期は7月15日〜8月15日と、全国的に見てもシーズンが長いのが特徴です。また、北海道のなかでも函館のお盆は7月はじめであるため、函館のお中元は6月末から7月15日くらいが目安となっています。贈る時期に迷ったら、贈り先の地域の習慣に合わせるとよいでしょう。
お歳暮を贈る時期は12月10日前後~20日前後
お歳暮を贈る時期も地域差があるものですが、全国的には12月上旬~20日ごろが目安です。この時期はだんだんと早くなっており、関東では11月の終わりごろに贈ることも多くなっています。
一方、北海道のお歳暮シーズンは12月10日~20日の周辺で、これは東北・東海・関西・四国・九州の地方と被ります。贈る時期に迷ったら、お中元と同様に贈り先の地域の習慣に合わせるとよいでしょう。
北海道の独自マナー➂結婚引出物
北海道の結婚式は会費制が主流です。参列者毎に御祝儀額の異なる御祝儀制と違い、主催側で金額を設定し、参列者は指定された額を支払うといったウェディングスタイルになります。
ゲスト側に金銭の負担が少なく、御祝儀の用意なども不要なため、どなたでも参加しやすいスタイルになっています。
会費制の結婚式の場合、引出物に1,000円~2,000円程度のお菓子や食品、1種類のみをお渡しするのが一般的なようです。また、ゲストによって贈り分けをする方が多いようです。
北海道の独自マナー➃結婚内祝い
「寿」を使うケースが多い
結婚祝いを贈ってくださった方や、結婚報告をしたい方へ贈る結婚内祝い。のしは「内祝」とする地域が主流ですが、北海道では「寿」を使う習わしがあります。どちらでも間違いではありませんが、北海道の方に結婚内祝いを贈る際には、お相手の地域の風習に寄り添って、表書きを「寿」にするのもよいアイデアです。
北海道の独自マナー⑤出産内祝い
北海道では短冊を神棚に貼る風習がある
出産内祝いにも北海道ならではの慣習があります。出産内祝いは「赤ちゃんが初めて贈る贈答品」という意味合いから、のし紙の贈り主のところに赤ちゃんの名前を記載するものですが、北海道ではさらに「命名札(短冊)」もそえるのが一般的です。そして、その命名札は贈られた家の神棚に飾ったり、壁などに貼ったりします。
北海道の独自マナー⑥入園・入学内祝い
他の地域同様に北海道でも入園・入学祝いをいただいたらお返し(内祝い)を贈るのが一般的です。その際、出産祝い同様に通常ののしを掛け、その横に短冊のしをそえるのが特徴。
受取り手は命名札と同じく、いただいた短冊のしを神棚や冷蔵庫などに貼っておくなど記念として残しておく方が多いようです。
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