故人や家族の勤め先、取引先からいただくお香典などは、場合によってお返しの形も変わってきます。ここでは、勤め先や取引先への香典返しや、その他お礼などの一般的な例をケース別に解説していきます。
お香典の「名義」を確かめておく
会社の方からお香典をいただいた場合は、送り主様が会社=法人なのか、社員の有志の方々からの連名なのか、それとも社長など個人の方かによってお返しの仕方が変わってきます。法人名義の場合は経費(福利厚生費)として扱われていることも多く、それであれば香典返しも特に必要ありません。ただ、同じ会社名義でいただくお香典でも法人としてなのか、社長個人としてのお気持ちなのか紛らわしいケースもありますから、社員の皆さんで分けられる菓子折など、香典返し相当のお礼を用意しておくと安心でしょう。
連名のお香典には「出社時にお返し」を
「社員有志」「社員一同」など、複数の社員から連名でお香典をいただいた場合は、忌引き後の初出社時にお返しを用意するとスムーズです。特に大きな額をいただいたのでなければ、のしをかけた正式の「香典返し」ではなく、1人1人に分けられる菓子折などでもよいでしょう。会葬お礼の品やお礼状を多めに用意して、1人1人に配ればより礼儀正しい印象になります。また、忌引きで職場に迷惑をかけてしまった場合などは、お香典をいただいたかどうかは別として、差し入れなどのちょっとした気遣いを忘れずにおきたいところです。
個人的にご列席くださった方には
勤務先や取引先の方で、個人的にお香典を用意してご列席くださった方は、会社の代表としてではなく、故人や家族との「個人的なお付き合い」のためにわざわざいらっしゃったことになります。もちろん会社の代表を兼ねていらっしゃることもありますが、いずれにしても個人名義のお香典をいただいたのであれば、他の弔問客と同じように香典返しを用意しましょう。
葬儀を手伝ってくれた方には別途お礼を
自宅葬などでは、会社の方にも葬儀の受付やお茶出し、接待などのお手伝いをしていただくことがあるかもしれません。こういった場合は、香典返しでまとめてお礼をするのではなく、別途お礼を用意します。お礼の内容は地域によって様々で、食事を用意したりお供えの果物を分ける、不祝儀ののしをかけた品物を用意するといったところから、不祝儀袋や白封筒に現金を包むところまであります。できればあらかじめ、その地域での慣習・相場などを確かめておくといいでしょう。