結婚や誕生日、昇進、入学など、人生にはお祝いをするシーンが多くあります。今回は、シーン別にお祝いの言葉を紹介していきます。お相手別に相応しい文例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
お祝いメッセージを書くときのポイント
忌み言葉を使わないようにする
お祝いに対して、不幸や不吉なことを連想させる「忌み言葉」と呼ばれる言葉があります。結婚祝いであれば別離を連想させる「切れる」「別れる」、合格祝いであれば不合格を連想させる「落ちる」「すべる」など、お祝いの内容によっても忌み言葉とされる言葉は違いますから、メッセージの文面を考える前にWeb検索などで調べておきましょう。
句読点は使わないようにする
「、」や「。」などの句読点は「終わり」や「区切り」を示すため、いつまでも続いてほしいお祝いのメッセージでは使わないのがマナーとされています。気の置けない間柄であればさほど神経質になる必要はありませんが、ビジネス上のお祝いなどでは注意しましょう。句読点を入れたい箇所にスペースを入れたり、改行を上手に使ったりするとよいでしょう。
試用するペン、色にも注意する
カラフルな文字のお祝いメッセージや寄せ書きはうれしいものですが、これもTPOによって注意したいポイント。本来、お祝いメッセージの文字は黒や濃い青といったインク色の万年筆を使うのがフォーマルとされています。ボールペンしか用意できない場合でも、インクの色はこういった色を選びましょう。
【結婚】お祝いメッセージの文例6選
①家族・友人に向けたメッセージ
「お幸せになってくださいね」という文面をよく見かけます。一見丁寧なようですが、「お幸せに」で止めておくのが定番の言い回しですから、ややバランスが悪く見えることも。親しみを感じさせる意味でも「お幸せに」で締めるのがおすすめです。
「手を取って」だと、片方だけが手を取る意味になってしまいます。お互いの手を取る=二人で助け合うことを表現したいところですので、「手を取り合って」「手に手を取って」「手を携えて」などの言い回しがよいでしょう。
②親戚に向けたメッセージ
この場合のように「二人で〜」は構いませんが、子どもをもうける前提で言葉をかけたり、将来両親と同居する前提で言葉をかけたりするのは踏み込み過ぎです。授かり婚や、すでに同居しているような場合は別ですが、お祝いの言葉では基本的に「二人」を中心にした言い回しがよいでしょう。
少しあらたまったメッセージが望ましいようであれば、こうした「門出を祝う」「幸せを祈る」言葉もよいでしょう。本人よりも両親との関係が強いのであれば「ご両親もさぞお喜びでしょう」などの言い回しもおすすめですが、一文のみの短いメッセージの場合はあくまで「二人」を中心にしましょう。
③上司や先輩に向けたメッセージ
目上の方へのお祝いですから「お幸せに」とカジュアルにまとめるよりも、「〜ます」と丁寧に締める文がよいでしょう。また「〜してください」と相手に求める書き方は、内容によっては目上の方からのアドバイスや激励風に見えることもありますから、要注意です。
お相手の「ご健勝とご多幸を祈る」表現は、結婚祝いに限らずお祝い事全般の定番です。関係の遠い上司や先輩、取引先など、お相手のことがよくわからない場合などにも間違いがありません。ただし、ごく親しい方などには「よそよそしい」と感じられることもあるかもしれませんので、様子を見て使い分けましょう。
【誕生日】お祝いメッセージの文例7選
①家族へのメッセージ
趣味や好物など、お相手ならではの内容を盛り込んだお祝いの言葉は、親しみが感じられてうれしいものです。関係をより深めたい場合は「今度私にも教えてください」と甘えてみてもいいでしょう。趣味や好物がわからなければ「お母さんと仲良く、いつまでも〜」などもおすすめの表現です。
お相手を褒めるひと言もうれしいもの。ただし、若い方からの「〇歳なんて信じられない」、「いつまでもきれいで〜」といった言葉は、却って嫌味に響くことも。年齢や美貌を引き合いに出さず、健康的な魅力を褒めるようにしましょう。また、お祝いの言葉に加えて「〇〇へ行きましょう」といった、近い将来の楽しみな誘いもおすすめです。
「両親が応援してくれている」と実感できることは、お子さまにとって大きな力になるものです。今は理解できない年齢のお子さまだったとしても、いずれ振り返って感謝することがあるでしょう。文例の力も借りつつ、ぜひご両親ならではのひとことも添えてあげてください。
②友達・恋人へのメッセージ
「いつも笑わせてくれる」「さりげない優しさ」など、「お相手のいいところ」を褒めるのは何よりのプレゼントになるでしょう。「これからも〜でいて」、「〇〇な1年になりますように」のように、誕生日からの1年間に希望を感じさせる言葉もうれしいものです。
③仕事関係の人へのメッセージ
目上の方へはお祝いの言葉に加えて、日頃の感謝の気持ち、もしくは尊敬の念を言葉にして伝えるとよいでしょう。2つめの文例は後輩や部下へのメッセージ。期待していることを伝えて激励しましょう。同僚・同期の場合、上から目線の励ましは控え「一緒に頑張ろう」などとするのがよいでしょう。
【ビジネス】お祝いメッセージの文例4選
①昇進
昇進のお祝いの言葉でよく見られる、「この度は」は本来「(最も)近いタイミング」を示す表現ですが、現在は定型句的に使われています。「ひとえに」も現在は定型句的になっていますが、漢字では「偏に」と書き「まさにそれしかない」といった意味合いを持っています。
②就任
「豊富なご経験と幅広いご見識を活かされ~」「ご手腕を発揮されますよう~」など、お相手を立てる表現も盛り込みたくなりますが、「評価や期待をする」こと自体が「目上から目下へ」の表現であると見る向きもあります。目上の方へのお祝いであれば活躍や発展を「祈る」内容に留めておく方がよいでしょう。
③開店
開店祝いにあたってはまず「ご商売の繁盛」を祈ることに尽きます。その上で、オーナーや店長と個人的な付き合いがある場合は文例のようにしてもよいですし、従業員がいたり、ご家族も店で仕事をするような場合は「皆様のご健勝ならびにご多幸を~」としてもよいでしょう。
④創立記念日
創立記念日は「記念日だからお祝いする」ものではなく、「ここまで〇年にわたり会社や団体などを守ってきた」ことをお祝いするものです。できれば「創立記念日おめでとうございます」などとせず、創立何周年にあたるかを調べてお祝いの言葉に盛り込みたいところです。
【長寿】お祝いメッセージの文例3選
①還暦
ビジネスのお祝いメッセージでは「ご健勝」が定番ですが、親しい方へのお祝いではやや堅く感じられることも。「ご健康」でもよいのですが、「健やかに」とすることでより柔らかい印象になります。
②卒寿
離れて暮らしているなど、普段あまり接点のないお相手でも、親しい方であれば「遠くから見守ってくれている」と考え、卒寿のお祝いの言葉と一緒に、感謝の気持ちを伝えるのがよいでしょう。
③白寿
「白寿祝いをお迎えに〜」などの文面も見かけますが、その人が迎えたのはお祝いではなく「節目の年齢」です。話し言葉などでは「(〇〇の)お祝いおめでとうございます」などと言いがちですが、本来正しい表現でないということは心に留めておきましょう。
【入園・入学・合格】お祝いメッセージの文例3選
①入園
お祝いの言葉では、お相手本人にわかる言葉で綴ることが重要です。入園はお子さまにとって初めての社会経験をする場ですから、まずはそれを楽しんでもらえるように伝えてみましょう。
②入学
子どもたちは入学を前に、新しい環境への不安を抱えていることもあるもの。そこで入学祝いでは、学生生活への期待が高まるようなメッセージを贈るのがおすすめです。小学生以下にはひらがなで読めるように。中学生以上には子ども扱いしないよう配慮しましょう。
③合格
受験は非常にセンシティブな話題です。親しいお相手で第一志望に受かったことがわかっている場合であれば文例のような内容もよいですが、進学する以外の詳細がわかっていないのであれば、あえて触れず「入学祝い」に代えた方がよいでしょう。