70歳を祝う古希・古稀(こき)祝いにNGなプレゼント4選! 押さえておきたいマナーも解説

イラスト:藤色のワンピースに紫のスカーフを首に巻いた、杖をついた年配女性を支えて歩く若い女性と中年の男性。後ろにはドアを開けたワゴンタクシーが止まっている。「お相手の状況に合わせることが大切です」とコンシェルジュ。

70歳の節目をお祝いする「古希祝い」。日頃の感謝の気持ちがきちんと伝わるように、タブーとされているプレゼントを選ばないようにしたいものです。そこで今回は古希祝いにNGなプレゼントと、プレゼントに添えるメッセージのNGワードを解説します。

そもそも古希・古稀(こき)祝いとは

古希祝いとは70歳を迎える方の長寿をお祝いすること。本来は「古稀」ですが、常用漢字ではないため「古希」と書くのが一般的です。

満70歳でお祝いをするのが一般的

古希祝いは生まれた時点を1歳として、元日ごとに1つ歳をとる「数え年」で行われてきました。数え年の70歳というと現代の満年齢では69歳にあたりますが、最近では満70歳でお祝いされることも一般的です。

数え年、満年齢のどちらでも、それぞれのご家庭で決めて構いません。誕生日前後や、敬老の日、お正月など、ご自身と先方の都合がよい日を選んでお祝いしてみてください。

古希・古稀祝いの由来

古希という言葉の由来は、中国の唐時代の詩人、杜甫(とほ)が詠んだ詩句にあります。「人生七十古来稀」、つまり「70歳まで生きる人は古来より珍しく希少である」という意味です。

古希・古稀のテーマカラーは紫色

還暦祝いの赤いちゃんちゃんこの「赤」でよく知られているように、長寿祝いにはそれぞれテーマカラーがあります。70歳の古希のテーマカラーは「紫色」です。

プレゼント本体が紫でない時には、ラッピングやリボンを紫色にしたり、紫の花を加えた花束を選んだり、お祝いのどこかに紫をあしらうと、古希祝いらしさを演出できます。

食事会や温泉地などへの旅行が定番

古希祝いは、親族や親しい方との食事会、また、温泉地などへの旅行が定番です。その際にはぜひともみなさんで写真を撮ってみてください。後日、現像したものをフォトフレームに入れてお贈りすれば、とてもよい記念品になります。

また、足腰が弱いなどの理由で遠出が難しい方については、ご近所のレストランを選んだり、ご自宅からタクシーなどを利用して同行したり、ホームパーティを開くなど、お相手に負担のかからない方法を検討してみてください。

古希・古稀祝いの金額相場

一般的な古希のお祝いの相場は1〜3万円とされていますが、贈る方との関係性に応じて変化します。以下は、ごく一般的なお祝い金額の目安です。関係性に対して高額過ぎるお祝いはお相手が恐縮してしまいますから、無理のない金額でお祝いしましょう。

祖父・祖母10,000円~20,000円

父母(義父・義母)20,000~30,000円

親せきや上司・恩師10,000円前後

古希・古稀祝いのNGプレゼントの考え方

70歳は人生の中で大きな節目ではありますが、丈夫で元気な方も多い年齢です。若々しいと自負するお相手にとっては、伝統的な古希祝いである紫のちゃんちゃんこなどは「年寄り扱い」と感じるかもしれません。

その一方で、足腰に老いを感じる方にとっては、長時間の移動を伴う旅行や、徒歩時間の長い食事会などは負担となり、体調を崩しかねませんから、お祝いの定番といえども避けたいところです。

どんなお祝いにも言えることですが、お相手のことを思い浮かべて、お相手の状況に合わせたプレゼント選びが大切です。

古希・古稀祝いにNGなプレゼント4選

古希祝いでは、昔から「縁起が悪い」と言われているものや、「年寄り扱いされた」と思われかねないプレゼントは避けるようにしましょう。ここでは、古希祝いで避けるべきプレゼントを4つご紹介します。

ただし、NGとされるプレゼントでも、お相手から「欲しい」とリクエストがあるなら別です。お相手が欲しいもの、好んでおられるものを思い浮かべて選んでみてください。

ここでご紹介したプレゼント以外にも、状況によってNGとされる品物があります。以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

古希・古稀祝いにNGなプレゼント①:櫛(くし)

櫛(くし)は「苦」や「死」などを連想させ、昔から縁起が悪い贈り物と考えられてきました。そうした縁起にこだわらない若い方同士なら別ですが、古希・古稀祝いでは避けておくのが無難です。

古希・古稀祝いにNGなプレゼント②:靴や靴下、下着類

靴やスリッパなどの「(お相手を)踏みつけるもの」は、目上、年上の方に贈るプレゼントとしてはNGです。また、靴下や下着など、名前に「下」がつく品物は、「(お相手を)下に見ている」という意味がある、とされる向きがあります。こちらも避けておきましょう。

古希・古稀祝いにNGなプレゼント③:ハンカチ、刃物類

ハンカチは「手巾(てぎれ)」とも呼ばれ、贈ることは「手切れ=お別れ」の意思表示だという考え方がありました。しかし、価格帯が広くデザインもさまざまで、かさばらないことから、ハンカチは今やプチギフトの定番のひとつとなっています。

ただし、白いハンカチだけは別です。日本では亡くなった方の顔に白いハンカチ(布)をかけますから、贈り物としては不適切です。ハンカチを贈るなら色柄があるものを選びましょう。

包丁やはさみなどの刃物類は「(縁を)切る」に通じるとして、贈り物には適しません。現在では「(未来を)切り拓く」とポジティブに捉える向きもありますが、昔のしきたりをご存知の古希・古稀の方への贈り物としては、避けたほうがよいでしょう。

古希・古稀祝いにNGなプレゼント④:杖や老眼鏡

杖や老眼鏡など、高齢者の持ち物というイメージが強いアイテムは、お相手によっては「年寄扱いされた」と嫌な気持ちにさせてしまうことも。便利そうであっても、古希・古稀のプレゼントとしては注意が必要です。ただし、ご本人からリクエストがあればお贈りしても問題はありません。

「忌み言葉」を避けよう! 古希・古稀祝いに添えるメッセージのNGワード例

古希のお祝いのプレゼントにメッセージカードを添えたり、日ごろの感謝を手紙にしたり、きちんと言葉でお伝えするのはとてもよいアイデアです。ただし、結婚や出産のお祝いと同様に、暗いイメージの言葉や縁起の悪い言葉は「忌み言葉」とされNGワードとなっています。加えて、長寿のお祝いのお場合は「死」や「病気」「老い」を連想する言葉は避けましょう。

暗いイメージの言葉や、縁起の悪い言葉

終わる、消す、短い、分ける、閉じる、壊れる、裂ける…など

死や病気、老いを連想する言葉

最後、消える、悲しい、破れる、落ちる、死ぬ、ぼける、寝る、根づく…など

こちらの記事では、古希・古稀祝いに添えるお祝いのメッセージを文例で紹介しています。

これでOK! 古希・古稀祝いのメッセージ例

娘、息子から父、母への古希・古稀祝いメッセージ

めでたく古希を迎えられ おめでとうございます

○○(趣味や仕事など)にもますます打ち込んでいるようでなによりです
(「大好きなお酒も楽しく飲めているようで~」など、家族ならではのポイントをぜひ盛り込みましょう)

これからもっと親孝行していきたいと思っているので どうか体には気をつけて いつまでも元気でいてください

幼い孫から祖父、祖母への古希・古稀祝いメッセージ

おじいちゃん(おばあちゃん)、古希おめでとうございます

今度また遊びに行くので、○○で一緒に遊ぼうね
(「○○のお話を聞かせてね」「おばあちゃんの○○が大好きです」など、家族ならではのポイントをぜひ盛り込みましょう)

ぼく(わたし)がうんと大きくなるまで、ずーっと元気でいてください

若い後輩から古希・古稀を迎えた先輩へのお祝いメッセージ

つつがなく古希を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます

○○さんの明るく生き生きとしたご様子に 我々もいつも元気をもらっております

お体にはくれぐれも気をつけて これからもますます壮健にお過ごしください

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