就職や結婚などを機に、今年からお中元のやり取りを始めるという方もいることでしょう。「熨斗紙はお店でつけてもらえるよね」と思っていたら、店先で「お名前はどうしますか?」と聞かれて慌てた……なんてことがあるかもしれません。熨斗紙の基本を押さえておきましょう。
お中元の熨斗紙、基本の書き方は?
お中元の熨斗紙の基本的な体裁を見ていきましょう。
紅白蝶結びの水引に、表書きは「御中元」または「お中元」
お中元には、「紅白蝶結びの水引と熨斗(紙面右上にある、包みの意匠)」が印刷された紙を使います。
水引の結び目の上に、表書きとして「御中元」または「お中元」と書き入れます。お中元の取り扱いが多い店などでは、あらかじめ熨斗紙に表書きまで印刷されていることも多いです。
名入れは苗字のみ、またはフルネームで
水引の結び目の下には、名入れとして贈り主の名前を書き入れます。苗字のみ、またはフルネームを書きましょう。
会社から贈る場合は社名を入れるか、もしくは、右に小さく社名と、上に小さく役職を書き添え、代表者(社長など)の名前を書きます。
時期が遅れてしまったときの、お中元の熨斗紙は?
立秋(8月7~8日頃)までは「暑中御伺」
お中元の時期は、東日本をはじめ全国一般では7月1~15日頃に、西日本では8月1~15日頃とされています。このお中元シーズンに遅れてしまったら、暦の上で立秋を迎えるまでは、贈り物の名目を「御中元」から「暑中見舞い」に変えてお贈りしましょう。表書きは「暑中御伺」とします。
9月上旬までは「残暑御伺」として贈っても
立秋より遅れると、暦の上では夏が終わっています。そこで、贈り物の名目は、秋が来てもなお残る暑さを見舞う「残暑見舞い」にしましょう。表書きは「残暑御伺」とします。
残暑見舞いの終わる時期は厳密には決まっていませんが、実際に暑さが続く9月上旬くらいまでを目安として、今度こそ遅れないようにお贈りしましょう。
お中元の熨斗紙にも新しい習慣が
夏らしいイラスト入りの熨斗紙で涼しさをお届け
最近では、空白部分に水風船や朝顔、スイカなどといった夏らしいモチーフのイラストを印刷した熨斗紙もよく見られます。
家族や気の置けない親戚など、形式的なマナーにこだわらない間柄であれば、こうした熨斗で開封する前から涼しさをお届けするのも喜んでいただけるでしょう。
簡易包装に合わせた短冊形の熨斗紙も一般的に
環境に配慮した簡易包装が普及するのに合わせ、小さな短冊形の熨斗紙が使われる場面も増えてきました。贈り物全体にかける熨斗紙と比べてカジュアルに見えがちですが、特に失礼には当たらないとされています。