「節分は2月だけではない」と聞いて「言われてみれば、節分はなぜ『節分』と呼ばれるのだろう?」と新たな疑問がわいた方もいるかもしれませんね。ではさっそく、節分の本来の意味や、2月の節分が有名になった理由を見ていきましょう。
節分の日とは?
そもそもは「季節の分かれ目」で、年4日存在する
節分は読んで字のごとく「季節の分かれ目」のこと。節分の日は、二十四節気でこの日から季節が始まるとされる立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日のことを指します。つまり、本来の節分は年に4日あるのです。
現在は「立春の前日(2月)の節分」が「節分」の代名詞に
年4回ある節分ですが、現在は「節分」といえばさまざまな行事などが根付いている「立春の前日の節分」を指すことが多くなりました。ちなみに、立春の日は年によって変わるので、その“前日”である節分も年によって変わります。2022年~2024年の節分は2月3日、2025年は2月2日となっています。
節分の由来や行事について
かつては節分を年越しとして重視し、厄払いなどの行事を行うように
節分の中でも「立春の前日の節分」に行事が多いのは、その昔1年が春から始まると考えられていたからだといわれます。つまり立春は年の初め、その前日である節分は大晦日、年越しの日。そのために、邪気や厄を払う行事が根付いたというわけです。
「福は内、鬼は外」と唱えながら「豆まき」をして年齢の数だけ豆を食べる
節分の行事として全国でもっともよく知られているのが「豆まき」です。神社やお寺で行事が行われるだけでなく、家庭でも「福は内、鬼は外」などと唱えながら豆をまき、鬼を追い払う習わしがあります。豆まきに使う豆は福豆と呼ばれ、無病息災を祈りながら歳の数だけ食べるという慣習も見られます。
「柊鰯(ひいらぎいわし)、焼嗅(やいかがし)」を玄関に飾って魔除けに
年の初めには玄関に松飾りをして年神様をお招きしますが、節分には柊の枝に焼いたイワシの頭を刺した「柊鰯(焼嗅)」を、神様を招くためではなく魔除けとして飾ります。
柊鰯について詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。
節分飾りはイワシの頭? 柊鰯、焼嗅を飾る理由とは
その歳の恵方に向かって巻き寿司を丸ごと食べる「恵方巻(えほうまき)」
もともとは関西地方の慣習で、この数十年の間に全国に広まったのが「恵方巻」。その年の恵方とされる方角を向き、無言で願い事を念じながら、巻きずしを切らずに丸ごと1本食べるというものです。
巻き寿司を切らないのには「縁を切らない」、無言なのは「福を離さない(話さない)」などの縁起かつぎがあるとも言われます。ちなみに、2022年の恵方は北北西。2023年は南南東、2024年は東北東、2025年は西南西です。