結婚祝いのお返しは「結婚内祝い」、出産祝いのお返しは「出産内祝い」、となれば成人祝いのお返しは「成人内祝い」とイメージしがちです。しかし、成人祝いは、結婚や出産とはまた考え方が異なります。
成人祝いをいただいたらお返しが必要?
入学祝い、成人祝いなど「成長のお祝い」はお返しをしなくてもよい
一般的に、入学祝いや成人祝いなどの「子どもが成長したことを祝って、本人に贈る」お祝いは、お返しをしなくてもよいとされています。
大人のようにはお返しを用意できない子どもが主体ですし、学用品や洋服などで出費のかさむ時ですから、お返しなどせずにその分も役立ててほしいという意味合いが込められているのです。
とはいえ、礼儀として成人した本人が礼状を書き、感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
たとえば、祖父母などの親しい人に謝意を伝える場合、二十歳の晴れ姿の写真と共に成人を迎えた喜びや今後の抱負などを書いたメッセージカードを贈ると喜んでもらえます。
「内祝い」の由来を踏まえた「成人内祝い」をお贈りすることも
お返しは必要ないとしても、祝ってくださった方への感謝の気持ちをお伝えしたいというのであれば、最近見られるようになった「成人内祝い」を用意するのが良いでしょう。
内祝いは結婚祝いや出産祝いの返礼にもよく用いられますが、本来はお返しではなく「慶びごとのおすそ分け」にあたるものなのです。「お返し」は「もらったからあげる」という意味にも捉えられます。
お渡しする際には「成人祝いのお返しです…」とは言わず、「成人祝いありがとうございました。内祝いの品です」としましょう。
金額よりも「大人の気遣い」を見せることで感謝の気持ちを伝えて
成人内祝いは比較的最近贈られるようになったギフトですので、厳密なマナーなどはあまり見られません。本人も成人を迎える年齢なのですから、親がアドバイスするにせよ、本人を主体として用意すると良いでしょう。
デパートなどの店頭で贈り物について相談してみるのも、良い経験になるはずです。
一般的な内祝いは、いただいたお祝いの半額程度といわれますが、そもそもお返しが要らないと本来言われているお祝いですので、もう少しささやかでも差し支えないでしょう。むしろ半額以上の内祝いを用意すると「無理をしていないか」と、贈り先さまを心配させかねません。
成人祝いのお返し・成人内祝いのおすすめは?
祖父母など親しい方には写真を飾れる記念品などを
孫が成人の日を迎えるとなれば、祖父母としてはとても嬉しいもの。フォトフレームや写真入りのインテリアアイテムなどの記念品であれば、喜んで飾ってもらえるでしょう。同じ家族でも、兄弟姉妹などにはこうした記念品より、それぞれのライフスタイルに合わせた実用品を贈るのがおすすめです。
親戚などには、本人に所縁のあるグルメやお菓子を
お祝いをくださった親戚などへの内祝いには、グルメやお菓子などの気軽な消えものが喜ばれるでしょう。ひと工夫するなら、家を出てご本人が就職・在学している地域の名物を選んだり、勤務先・アルバイト先で扱っているお菓子を選んだりすると、その人ならではの心遣いや人柄が感じられるはずです。
縁起の良い初物は贈り物にも最適
初物とは、その季節で一番最初に穫れたもの・食材のことです。別名「はしりもの」ともいわれています。初物は縁起の良いものであるため、贈り物やお祝いの場などに適しています。
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内祝いの「のし」の種類
のしには「結び切り」と「蝶結び」の2種類が存在します。結び切りは、結婚のお祝いや快気祝いなどの一度切りのイベントで使われます。蝶結びは、何度も繰り返しても良いお祝いごとである成人式や七五三、出産祝いなどで使われます。
成人祝いのお礼のあいさつはしっかりと
成人祝いのお返しは本来必要ないとされていますが、それでもお礼のあいさつは欠かせません。内祝いを用意する場合も、品物があればいいというのではなく、直接会えるのであれば本人からあいさつを、会えない場合もお礼の手紙を添えるなどして、まずは感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。
お返しを贈る時期を確認
成人の内祝いは、遅くても1ヶ月以内に贈るようにしましょう。たとえば成人式までにお祝いを頂いた場合、成人式が終わってから内祝いを検討し、1月中に内祝いを贈るのが理想です。
1ヶ月以上空いてしまうと失礼にあたるため、遅すぎず早すぎず、適切なタイミングでお返しを贈るようにしましょう。