職場内でのギフトといえば、従来は上司にお贈りするお中元・お歳暮や、冠婚葬祭に関わるご祝儀・お供えなど、社員同士のやりとりが主でした。
今回ご紹介するギフトは従来のそれとは異なり、今まであまり注目されてこなかった“会社と社員”のコミュニケーションのひとつ。働き方の変化によって活用されるようになった、ユニークな取り組みです。
直接顔を合わせる機会が減った「職場の仲間」
テレワークやリモート対応で、社員同士の関係が希薄化
2020年前半から急速に普及したテレワーク。オフィス外勤務はもちろん、取引先とのやり取りもリモートで行われるようになりました。
テレワークは、オフィスに行かなくても仕事ができて便利な反面、社員同士のコミュニケーションが減るため、職場内やチームの人間関係を深めきれないこともあります。
集まることができないので、職場のイベントも続々中止に
歓送迎会や暑気払い、忘年会、プロジェクトの打ち上げ、社員旅行など、職場内外の仲間が集まって親交を深めてきたイベントの数々。これも、テレワーク普及とコロナウイルスの影響によって、中止せざると得なくなりました。
さまざまな職場で「直接顔を合わせる」「集まって語らう」以外での、コミュニケーションの深め方が試行錯誤されています。
テレワークでも絆を深めるには?「福利厚生ギフト」に注目
浮いた福利厚生の予算を活かすなら「社員へのギフト」がおすすめ
職場のイベントが中止されることで、福利厚生費の予算も今までとは違う使い道が検討されるようになってきました。そのひとつとして注目されているのが、会社から社員へ贈られる「福利厚生ギフト」です。
会社から社員へのギフトといえば、従来は創立祝いや社内表彰の記念品など、会社や業務を主体とする名目が一般的でした。一方、福利厚生ギフトでは、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントなど、これまで家族や友人とやり取りしてきたようなギフトを、会社から社員へ贈ることも多くなっています。
出社したり集まったりせずに、思いやる気持ちを届けられる
福利厚生ギフトは、いわゆる記念品や現金などではなく、よりプライベート感のあるギフトというところがポイントです。直接顔を合わせる機会が持てなくても、会社や経営者が社員1人1人を思いやる気持ちを品物とともに届けることができます。
会社や上司の気づかいに触れ、仕事や会社への満足感がアップ
また、受け取る社員にとっても、福利厚生ギフトは会社からの気遣いが感じられてありがたいと思う人は多いようです。特に新入社員は、テレワーク特有の環境から生まれる会社や仕事への不安も多いため、福利厚生ギフトを通して不安を軽減することもできるでしょう。
福利厚生ギフトのおすすめは?
デジタルギフトやカタログギフトなどの「使い道を選べるギフト」
数ある福利厚生ギフトのなかで、老若男女問わず喜ばれるのが「使い道を選べるギフト」です。商品券やギフトカードも好評ですが、買い物のための外出を控えがちな最近は少々事情が変わっています。
Web上やカタログの中から好きな品物やサービスを選べる「デジタルギフト」や「カタログギフト」が、手軽さもあいまって特に好まれているようです。
また、カタログギフトや商品券等は給与課税対象となり、福利厚生費とは別の扱いになる場合もあるため、注意が必要です。
家族と一緒に楽しめる「グルメギフト」
美味しいスイーツやブランド肉などのグルメギフトは、社員が家族と一緒に楽しめる時間を増やすことができます。テレワークや感染症流行などで溜まったストレスや疲れを吹き飛ばす美味しいグルメは、すてきな福利厚生ギフトになりそうですね。
体の疲れを癒す「労いギフト」
リモートワークは通勤の必要がないとはいえ、対面でのコミュニケーション不足やモチベーション低下など、やはりストレスは溜まるものです。そんな社員へ疲れを癒やす「労いギフト」を贈ってみるのはいかがでしょうか?
入浴剤やバスソルト、マッサージグッズなど、リラックスできるアイテムを検討してみましょう。
あくまでも贈るのは「気持ち」、押しつけがましいチョイスはNG
福利厚生ギフトでお贈りするのは、会社や経営者が社員を思いやる「気持ち」です。経営者や担当者の趣味・趣向を押し付ける品物は控えたほうがよいでしょう。
経営の側に立つと、つい「業務やスキル向上に役立つものを」「会社に愛着が持てるようなものを」などと会社主体で考えがちですが、まずは、本当に社員に役立ててもらえるギフト選びを心がけることが大切です。
福利厚生費でギフトを贈る際の注意点
ギフトの内容によっては給与課税に該当する場合がある
福利厚生は全従業員のためにあるものです。特定の社員のみにギフトを贈ったり、高額な品物や目的に合わないギフトは福利厚生には当てはまりません。
また、商品券、金券などは給与課税とみなされ、所得税が課税されることもあります。課税はケースバイケースとなりますので、税理士などに相談するとよいでしょう。