桜の季節になるとなんとなくソワソワしてしまう……という人は少なくないのではないでしょうか。まるで遺伝子に刻み込まれているかのような日本人の「お花見好き」。その由来はどこにあるのか、見ていきましょう。
お花見の由来や意味は?
古代・中世においては貴族や武士のもの
お花見そのものの発祥は奈良時代にまでさかのぼると言われます。古のお花見は貴族たちが、桜ではなく梅を見ながら歌を詠むといったものでした。平安時代に入ると桜の花でお花見をすることが定着し、鎌倉時代には武士にもこの習慣が広まります。
現在のお花見のルーツはあの豊臣秀吉という説も。700本の桜を醍醐山(だいごやま)に植えて1,300人もの客を招待して開いた「醍醐の花見」が、その後の酒宴を伴ったお花見に変化したといわれます。江戸時代に入ると、お花見の習慣は庶民の間にも広まっていきます。
お花見の意味は少しずつ変遷してきた
そもそもお花見は、儀式的な意味を伴うものではありませんでした。そんな中でも、歌を詠み季節感を味わっていた古のお花見から、桜の花の下で酒宴を開いて親交を深める現在のお花見に至るまで、その意味するところは少しずつ変わってきたといえます。
お花見の楽しみ方、守りたいマナー
会場のルールに従い、後始末までしっかりと
お花見は公園など、公共の場で行われることが多いものです。飲酒や喫煙の可否を含めた飲食、場所取り、ゴミの始末などのルールは会場によっても異なりますので、事前にしっかりとチェックし、自分たちも周りの人たちも楽しく過ごせるよう心がけましょう。
周囲の迷惑にならないように楽しむ
特にルールが定められていない場合でも、大きな音でカラオケやBGMを流したり、極端に匂いの強いものや煙の出るものを扱ったり、お酒が過ぎたりすることは周囲の迷惑になりかねません。お互い心地よく楽しめるように、節度を持って振る舞いましょう。
桜の木を傷める行為は避ける
桜は繊細な植物です。枝を折ったりするのはもちろんのこと、根にビニールシートがかかるだけでも、呼吸を妨げられて弱ってしまいます。根元から少し離れた場所にシートを敷く、ビニールではなく通気性のあるゴザを用意するなど、桜の木を傷めないように気をつけたいところです。
また、子どもが植生の保護のためロープを張ってある場所に侵入したり、桜の枝にぶら下がったりといったこともないよう注意しておきましょう。
密集・密接を避けて「静かに花を愛でる」方法も
野外ですから密閉されることがないとはいえ、酒宴を伴うお花見は3密のうちの密集・密接が起こりやすい催しです。感染症流行が収まらないうちは、人の集まりにくい早朝に桜の木の周りを散歩する、遠方から連なる桜並木の様子を観覧する、オンラインで桜の様子を見ながら飲み会をするなど、静かに花を愛でるお花見の楽しみ方も考えておきましょう。