年末年始の過ごし方が多様化している近年、喪中の過ごし方も昔より自由になってきているのかもしれません。実際に行事などを差し控えるかどうかはそれぞれの事情や状況によって異なりますが、そもそもの考え方を知っておけば、あらゆる場合で行動しやすくなるでしょう。
お正月を「にぎやかに祝う」風習は避ける
喪中の範囲は二親等までが一般的
喪中の新年の過ごし方を考える際、まずぶつかるのが「そもそも故人とどこまでの関係にあると喪中になるのか」ではないでしょうか。
厳密な決まりはありませんが、一般的には喪中に喪に服すのは二親等までということが多いようです。一親等である配偶者、親・兄弟(義親・義兄弟)、二親等である祖父母(義祖父母)、孫などがこれに含まれます。
この考え方に基づくと、叔父・叔母やいとこなどは含まれないことになりますが、親しい方であれば喪に服してもマナー違反にはなりません。
年賀状のやり取り、おせち料理や正月飾りなどは控えて
喪中の新年の過ごし方にもさまざまな考えがありますが、基本的には「お正月を祝う」目的の行事は控えることが多いようです。
現在の主な行事では年賀状のやり取り、晴れ着などで盛装する、おせち料理を食べる、正月飾りをするなどがあります。お年玉のやり取りも、名目を変えて「お小遣い」にするとよいでしょう。
初詣は時期やお詣り先による
寺への初詣、忌中を過ぎた喪中の初詣は差し支えない
初詣は本来「新年初めてのお詣り」であり、お祝いを目的としていないため、喪中でも基本的に差し控える必要はありません。お札をいただいたり、おみくじを引いたりしても構いません。
ただし、行き帰りに派手に遊び歩くといったことは避けたいところ。神様や仏様に感謝し、新年の誓いを立てるというお詣り本来の目的を重視し、慎ましく行動するのが望ましいでしょう。
忌中の場合、神社への初詣は避けて
ただし、故人が年末に亡くなってまだ忌中にある場合、神社への初詣は避けましょう。神道では死を穢れと考えるため、忌中の初詣は、神社つまり神様の元へ穢(けが)れを持ち込むことになるからです。
帰省や親戚の集まりはOK、ただし控えめに
正月の名目でなく、内輪の集まりとして
喪中だからといって、せっかくの年末年始に家族や親戚で集まることまで控える必要はありません。お正月を祝うかのように派手な宴席を開くのは考えものですが、内輪の集まりとして一緒に過ごすことは、喪中でももちろん構わないでしょう。親しい方を亡くして寂しい思いをしている家族に、ぜひ寄り添ってあげましょう。