中秋節とは? 過ごし方や風習、食文化について学ぼう

中国の中秋節(ちゅうしゅうせつ)は日本の十五夜と似た行事ではあるものの、その内容には大きく差があります。中国では中秋節が連休を伴う祝日となっていて、この時期ならではの贈り物を交わし合い、家族で集まって一家だんらんの時を過ごす、非常に大切な行事とされています。

イラスト:民家の窓際、ススキの横に月見団子のように山高く積み上げられた月餅。若い女性(娘)が「月餅!?」と驚くと、母親が「フフ…今年のお月見は日本と中国のコラボよ!」とドヤ顔。

中秋節と十五夜(中秋の名月)は共通点が多い

旧暦の8月15日にお供えをして月見を楽しむ

中秋節(仲秋節)は毎年旧暦の8月15日に、自宅の庭などで月にお供えをして、家族で名月を鑑賞し楽しむという慣習です。中国が起源とされており、韓国や台湾、ベトナムなどにも同様の習慣が見られます。中国ではこの日が祝日とされ、他の祝日と合わせ、連休になるのが一般的です。

祝日ではありませんが、日本の十五夜(中秋の名月)も旧暦の8月15日に、月にお供えをして観月を楽しみます。この「十五夜」は平安時代に中国から中秋節が伝わったことが由来だといわれています。

お供えの品は月餅と果物など

十五夜のお供えといえばススキや秋の七草、月見団子ですが、中秋節のお供えは「月餅(げっぺい)」と呼ばれる、平たく丸い、餡を皮で包んだ焼き菓子が定番です。加えて瓜、果物なども供えられます。また、この時期の中国では、親しい方やお世話になった方に月餅を贈る習慣も見られます。

月餅は、欠けがなくめでたいとされる満月を象っていて、さらに家族の輪や団らんの象徴でもあります。かたやススキや月見団子には、豊作祈願の意味が込められているといいますから、同じお供えでも意味合いはやや異なっている模様です。

2020年の中秋節はどう楽しむ?

2020年の中秋節は10月1日

2020年の中秋節は10月1日。中国では、同じく祝日である国慶節と重なるため、振替休日などで10月1日~8日の8連休になります。ちなみに、直前の日曜日(9月27日)と直後の土曜日(10月10日)は「振替出勤日」に指定され、平日になりますから、単にお休みが多いというわけでもないようです。

日本でももちろん、2020年は10月1日が十五夜にあたります。木曜日で、土日祝日などにも重なっていませんので、平日を過ごしながら夜にはお月見を…ということになりそうです。

日本でも中華街などで中秋節のイベントがある

日本国内でも、中華街など中国の文化の影響が強いエリアでは、例年十五夜ではなく中秋節としてお祝いのイベントが開かれたり、中秋節限定の月餅が販売されていたりします。2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、人の集まるイベントなどは軒並み中止されているようですが、この時期ならではの月餅は販売されるようですので、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

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