米沢牛に松坂牛…ブランド和牛の特徴や味の違いをご紹介!

日本が誇る高級食材「ブランド和牛」。ブランド和牛の特集や人気ランキングが盛んに見られることからも、その人気ぶりがうかがえます。それぞれが異なる基準を設けていて生育環境も違い、味もそれぞれに特徴があります。ブランド和牛の特徴を知って、お気に入り銘柄を見つけてみては?

イラスト:ブランド牛を使った様々な商品に囲まれ「ブランド牛は、それぞれおいしさに特徴が。食べ比べしてみるのも楽しいですね!」とコンシェルジュ

米沢牛の特徴

米沢牛は、山形県米沢市を含めた3市5町で飼育されたブランド和牛です。冬は豪雪、夏は湿度・気温ともに高いという厳しい気候と、最上川源流域の豊かな土壌で育った飼料が、健康で身の締まった牛を育てています。

米沢牛と認められるのは、先述の3市5町で育てられる肉牛のうち、「黒毛和種で未経産の雌牛」「生後32カ月以上」「3等級以上の肉質(日本食肉格付協会)」などの条件を満たしたものだけ。

米沢牛の味わい

きめ細かな霜降りと、香りのよい脂、甘みのある赤身が特徴。その脂は人肌程度の温度でとけてしまうほど融点が低いため、口に入れた瞬間に柔らかい食感と、上質な脂の香りが広がります。

もうひとつの山形産ブランド牛「山形牛」とは

山形県といえば山形牛も有名です。こちらは「山形県内で最も長く肥育・育成された未経産の雌、および、去勢の雄の黒毛和種」「肉質3等級以上」などの条件があります。

米沢牛が全国的な知名度を獲得してから、県内では肉牛の生産が普及し、飯豊牛・西川牛・天童牛・東根牛といった銘柄牛が誕生しました。これらの県内産肉牛を「総称 山形牛」と定義し品質規格を統一することで、高い品質を保証しています。

松阪牛の特徴

紅白の鮮やかな霜降りが美しく「肉の芸術品」とも呼ばれる「松阪牛」は、日本屈指位のブランド和牛。全国各地から但馬牛など優秀な黒毛和種の子牛を集めて、三重県松阪市とその周辺地域で育てられています。黒毛和牛であり、かつ、未経産の雌であることが松阪牛の条件です。900日以上肥育された肉牛は「特産松阪牛」と呼ばれます。

松阪牛は偽装防止のため、松阪牛個体識別管理システムに登録することを義務付けられています。もしも規定に違反した場合には罰則として除名されるほど厳しいものです。

松阪牛の味わい

松阪牛の最大の特徴は霜降りの美しさ。肉質はとても柔らかで、脂に上品な甘みと香りがあり、その味は海外でも人気を集めています。ステーキや焼き肉にすると、脂の香りがよりいっそう引き立ちます。

神戸牛の特徴

外来種とかけ合わされていない但馬牛で、生まれも育ちも兵庫県内。さらに、そのなかから「未経産の雌牛もしくは去勢済みの雄牛」「枝肉(※)の重さが499.9kg以下」などの基準をクリアしたものだけが「神戸牛」です。この厳しい基準のため神戸牛は希少で、唯一のおいしさが保証されています。

海外でも「KOBE BEEF」の名で知られ、高級食材として高い評価を受けています。実は、日本でも「神戸ビーフ(もしくは神戸肉)」が正式名称。米沢牛や松阪牛のような、ほかのブランド和牛とそろえるために「神戸牛」と呼んでいます。

※枝肉…皮や内蔵などを除去した、骨がついたままの肉。

神戸牛の味わい

一般的なブランド和牛よりも厳しい基準を設けている神戸牛は、その味も独自の個性があります。赤身に細かく入り組んだ見事な霜降りは融点が非常に低く、舌にのせた瞬間に溶けはじめて赤身のおいしさと絡み合います。

鳥取和牛オレイン55の特徴

「○○牛」で統一されたブランド和牛のなかで、少し珍しい名を持つ「鳥取和牛オレイン55」。その名の秘密は、このブランド和牛が高いオレイン酸含有量を持つことに由来します。ちなみにオリーブオイルにも多く含まれ、脂肪酸の約75%がオレイン酸です。牛肉に含まれるオレイン酸の濃度が高いほど、口溶けがよいといわれています。鳥取和牛を一頭一頭測定し、オレイン酸が55%を超えたものだけが、「鳥取和牛オレイン55」を名乗ることが許されるのです。

さらに、このブランド和牛のもうひとつの条件に、“「気高(けたか)」号の血統を引き継いた牛であること”があります。気高号は「第1回全国和牛能力共進会(1966年)」肉牛の部で1等となった名牛で、日本各地で活躍するブランド和牛のルーツのひとつに数えられています。その希少性は鳥取和牛のうちの20%程度と言われ、年間で400頭ほどしか流通しません。

鳥取和牛オレイン55の味わい

オレイン酸濃度が高い鳥取和牛オレイン55の特徴は、なんといっても口溶けの良さ。赤身と脂のバランスも良く、肉質は柔らかで口内で脂が溶けて肉汁があふれます。加熱した際の素晴らしい芳香も食欲をそそります。

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