最近は、人気のお笑い芸人の芸名としてもよく耳にする「粗品」。誰でも知っている言葉ではありますが、どのような品を指すのか具体的には把握していない方もいるのではないでしょうか。まずは、粗品の意味から見ていきましょう。
粗品のそもそもの意味は?
贈り物を「粗末な品」として謙遜する呼び方
粗品の本来の意味は「粗末な品」。差し上げるお相手を立て、「あなたのような立派な方には粗末すぎる品ですが」と謙遜する意味を含んだ呼び方です。それもあってか、「粗品」はいくつもの品が入ったギフトセットや高価な贈り物ではなく、単品や少数入りで、場合によっては包装もある程度簡略化されたものが多いようです。
企業の宣伝やお礼に使われることが多い
「粗品」で多く見られるのが、イベント来場やアンケートへの協力、近隣の工事に際する挨拶回りなどで企業からノベルティグッズや実用品をプレゼントするケースや、企業同士の営業活動などでこうしたプレゼントをやりとりするケースです。いわゆるちょっとしたお礼と、企業の宣伝を兼ねた贈り物といえます。
個人では引っ越しなどのご挨拶やお礼の品として
個人から「粗品」を差し上げるといえば、引っ越してきた際のご挨拶や、家屋などの工事に際する挨拶回りなどが挙げられます。お相手にお返しの気づかいをさせない程度の、ちょっとした贈り物というわけです。
粗品のマナーについて
誰でも使えて、いくつあっても困らない消耗品を選ぶ
粗品はお相手によって贈り分けるのではなく、同じ品を用意するのが一般的です。そこで、タオルやボールペン、メモ帳や日持ちのするお菓子など、誰でも使えて、いくつあっても困らない消耗品が定番となっています。ご家庭への挨拶回りなどでは、その地域指定のごみ袋やラップフィルムなど、より生活に即した品が選ばれることもあります。
引っ越し関連の場合は火を連想させるものを避ける
引越しのご挨拶、新築・改築工事のご挨拶などで差し上げる粗品は、引っ越し祝い・新築祝いと同様に「火(火事)を連想させるものを避ける」ようにします。ライターなど直接火を扱うものはもちろん、赤いアイテムも良くないと言われます。詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。
高価な品の場合は表書きを「御挨拶」、「松の葉」としても
場合によっては、タオルやボールペンよりも高価な品が適切なご挨拶品やお礼を用意することもあるでしょう。それなりのギフトなのに「粗品」と表書きをしたのでは、お相手にも「ずいぶん立派な粗品だ」などと皮肉に取られかねません。そのような場合は、熨斗の表書きを「御挨拶」や「松の葉」、「心ばかり」などとしてみましょう。粗品と同様のちょっとした贈り物を表す言葉ですが、少し改まった雰囲気になります。