端午の節句をお祝いする食べ物 意味も合わせて知っておこう

端午の節句の代表的な行事食は、小豆あんや味噌あんなどの入った餅を、柏の葉で包んだ「柏餅(かしわもち)」と、笹の葉で細長いお団子を包んだ「ちまき」です。柏餅とちまきのどちらを食べるかは、地域によって違いがあるようです。

イラスト:こいのぼり型の押しずしを前にした親子3人家族。父親が「ちまきは?」と聞くと、母親が「これがうちの行事食よ♪

端午の節句の代表的な行事食「柏餅」と「ちまき」

関東では「柏餅」、関西では「ちまき」がよく食べられてきた

近年は柏餅が全国区になりつつありますが、そもそもは関東を中心に柏餅が、関西を中心にちまきが食べられてきました。

関東でちまきといえば、おこわを竹皮で三角形に包んだいわゆる中華ちまきのことを指すのが一般的ですが、特に端午の節句に食べる習慣はないようです。

関西で端午の節句に食べられる「ちまき」は、笹の葉にほんのり甘いお団子を包んだ細長い和菓子が一般的です。

一方、南九州では木や竹を燃やした灰から灰汁(あく)をとり、竹皮に包んだもち米を煮込んで作る餅菓子「灰汁巻き」の別名がちまきとされ、端午の節句の行事食として地元でよく食べられています。

柏餅は子孫繁栄を願う食べ物

柏餅は江戸時代の江戸で生まれたといわれ、柏の葉は新芽が出てくるまで落ちないことから、子孫にわたって繁栄し家系が絶えないことを願う意味があるとされています。

ちまきは中国の災いを避ける風習がルーツ

ちまきは柏餅よりもさらに歴史が古く、奈良時代から平安時代に中国から伝わったとされています。

もとは5月5日に国を憂いて川へ身を投げた中国の詩人、屈原(くつげん)へのお供え物で、邪気を払う茅(ちがや)の葉で巻かれたちまきを投げ入れる風習がありました。

その後日本でも5月5日の端午の節句に厄除けの風習としてちまきを食べるようになったという説があります。

男の子の健やかな成長を願う食べ物も

まっすぐ元気に育てと願う「筍(たけのこ)」

柏餅やちまき以外で端午の節句に食べられているものに、筍があります。ちょうど端午の節句のころに旬を迎える食材で、また、竹のようにまっすぐ元気に育ってほしいという願いが込められています。

「鰹(かつお)」や「出世魚」で将来の活躍を願う

“勝男”になぞらえられる鰹や、鱸(スズキ)、鰤(ブリ)のように、成長に合わせて呼び名が変わる出世魚は縁起の良い食べ物とされ、男の子の将来の活躍を願って端午の節句によく食べられています。

こいのぼりや兜(かぶと)をかたどった新しい行事食が

最近は、ちらし寿司やいなり寿司、ケーキなどでこいのぼりや兜をかたどった、「新しい端午の節句の行事食」も珍しくなくなりました。そもそもお子さんのためのお祝いですので、お子さん自身が食べやすいものを、ということなのかもしれませんね。

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