お歳暮の熨斗(のし)の表書きには気を使っても、配送伝票などは「届けばいい、住所と社名さえ間違わなければ大丈夫だろう」と考えていないでしょうか。しかし、法人向けの贈答では、伝票の宛名も贈り物の扱いを判断する情報のひとつです。個人的な贈り物と混同されないよう、適切な書き方を押さえておきましょう。
法人向けのお歳暮、名前はどうする?
熨斗には贈り先の名前ではなく「自社名+代表肩書+代表名」
お歳暮には「御歳暮」の表書きをした熨斗をかけますが、表書きの下に記すのは贈り手側の名前です。こちらも法人である場合は、基本的に「自社名+代表肩書+代表名」を入れてお贈りするようにします。
配送の際の宛名は「全体宛てなら代表」「支店・部署宛てならその長」
お贈り先への宛名が必要なのは、主にお歳暮を配送で届けるケースになるでしょう。この場合、法人全体へ宛ててお贈りするのであれば「法人の代表」、支店や部署などにお贈りする場合は「支店・部署の長となる方」が宛先になります。配送伝票にも、お名前だけでなく肩書からしっかり記入するようにしましょう。
もちろん発送元も担当者個人ではなく、自社の代表にしておきます。
「法人内の個人へ宛てたお歳暮」は基本ないものと心得て
「普段お世話になっている取引先の担当者へお歳暮を」と考えることもあるかもしれませんが、法人の名を冠する場合、贈り物も法人(または支店・部署)同士のやりとりが基本です。親しい方で、どうしても贈りたい……という場合は、お互い個人的なお歳暮としてお届けするようにしましょう。
贈る前にチェック! 法人向けのお歳暮
職場へ贈るならその場で消費できるか、持ち帰りやすいものを
お歳暮をお贈り先の職場へ持参する場合や、職場宛てに配送する場合は、贈り先ではたいていオフィスで開けて消費するか、分け合って持ち帰ることになります。したがって、切り分けの必要な品ではなく個包装でそのまま分けられる品、軽くて持ち帰りやすい、かさばらない品などを意識して選ぶようにしましょう。
長期休暇を控えた繁忙期、日持ちが微妙な品は控える
お歳暮の時期は、年末年始の長期休暇を控えた慌ただしい時期でもあります。営業で外出する方が多い職場へ数日しかもたない品をお贈りしたり、長期休暇の直前になってから1週間~2週間しかもたない品をお贈りしたりすると、消費したり分け合ったりできずに、持て余してしまうことも考えられます。
そもそもお歳暮を受け取れない法人もある
法人とはいっても公務員の方のお勤め先となると、お歳暮やお中元などの贈答品を受け取ることはできません。また、病院や一部の企業などでは、贈答品の受け取りを禁止しているケースも珍しくありません。いくら喜ばれるお歳暮を選んでも、お渡しできなければ無駄になってしまいますから、事前に下調べをしておくようにしましょう。