「プレゼント」も「ギフト」も、贈り物という意味では同じですが、厳密には少しニュアンスが違います。使い分けはあいまいなところもありますから、神経質ならず、豆知識として覚えておくとよいでしょう。
プレゼントとは「親しい人の間で」「カジュアル」
プレゼント(present)を分解すると、ラテン語で「前の、事前の」の意味を持つpreと、「在る」の意味を持つesse-entで構成され、pre-esse-entで「前もって用意された」と解釈できます。贈り物のほかに、「現在の・当面の・出席して・(心や記憶に)在る」などの意味もあります。
贈り物としてのpresentは、「親しい人の間での贈り物」という意味合いが強く、家族、友人、恋人といった間柄で交わされるカジュアルな贈り物に使うのが適切といえるでしょう。
ギフトとは「目上から目下へ」「フォーマル」
ギフト(gift)とはプレゼントよりも広義の贈り物を指します。例えば、「才能」も英語ではgiftと言い、これは、“才能=神様の贈り物”と考えられているからです。また、家や土地などの資産を引き継いだ際に発生する「贈与税」は、英語でGift Taxesと言います。
英語のgiftは、「目上から目下へ」、「価値のある贈り物」というのがイメージに近く、presentよりも改まった意味合いの言葉です。
具体例で考える、日本での使われ方
日本ではほとんど同じ意味で使われる「プレゼント」「ギフト」ですが、先述した英語的な意味も多少残っています。プレゼントは「もらう」、ギフトは「いただく・賜(たまわ)るイメージ」と捉えれば、おおよそ正しい解釈です。以下に例を見ていきましょう。
プレゼント
親しい間柄で交わされる贈り物。誕生日プレゼント、クリスマスプレゼントなど。旅のお土産も、どちらかというとプレゼントを使います。
ギフト
結婚や出産などのお祝いやお返し(内祝い)、お中元、お歳暮など、マナー色が強い贈り物はギフトと呼ぶことが多いようです。サマーギフト、ウインターギフトといった使い方をします。お金の代わりに使える金券類は、よくギフトカードと呼ばれますが、これは価値がはっきりしていることに由来しているのかもしれません。