故人の命日から100日後に迎える法要を「百箇日」と呼びます。近年では四十九日法要の次は一周忌法要の場合が多く、馴染みのない方も多いようですが、いざというときに慌てることのないよう、一通り知っておきましょう。
百箇日法要で行うこと
百箇日法要は「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれ、遺族が泣き悲しむ(哭)ことから卒業するという意味があります。
百箇日法要は、親族や近親者のみが参列し、自宅の仏前で行うことが一般的です。内容は僧侶を招いて読経していただき、焼香をし、説法を拝聴して終了となります。法要の後に会食をする場合もありますが、これは法要の流れのひとつというより、身内が集まって食事をするという意味合いが強いものです。
百箇日法要は命日から100日を数えた日とされていますが、実際には平日に行うことが難しいこともあります。そうした場合には、前倒しで行うようにしましょう。
百箇日法要は悲しむ日々から日常に切り替えるという意味がありますから、故人の遺品の整理や形見分け、葬儀で頂戴した香典のお礼や香典返しもこの日までに行います。
また、百箇日に合わせて故人を追悼する「しのぶ会」や、「施餓鬼会(せがきえ)」が行われることもあります。施餓鬼会とは特定の故人ではなく無縁仏を供養するものであり、これを行うことで施主や故人、先祖に功徳をもたらすとされています。
故人が亡くなってから四十九日までの「忌日法要」については、こちらを参考にしてください。
百箇日法要のお供え物
お供えにはお花をお贈りすることが多く、白を基調とした淡い色の花が適しています。故人が好んだお花を用いることができますが、色が鮮やか過ぎる場合には淡い色の花に少し混ぜるようにすることが好ましいです。
お花のほか、お茶やお菓子、故人の好物、石けん、タオルなどもお供えされます。ただし、肉や魚は「殺生」につながりますので、故人の好物であっても避けるようにしましょう。お酒やタバコなどは、僧侶によってはよろしくないとされる場合があります。
長い時間仏前に供えるものですから、痛みやすい類の飲食物も避けておいたほうがよいでしょう。比較的日持ちがするものや、参列された方々に持って帰っていただける小分けされたものがおすすめです。
百箇日法要のお布施の相場・書き方
百箇日法要のお布施の金額は、地域やお寺、菩提寺の有無によって異なる場合があるため、事前にお寺もしくは葬儀社の方に聞いておくと安心です。この記事では一般的な百箇日法要のお布施の金額についてご紹介します。
百箇日法要で僧侶にお渡しするお金には3通りあり、それぞれの相場は以下の通りです。お布施のみをお渡しする場合と、組み合わせてお渡しする場合があります。表書きには「御布施・御車料・御膳料」とそれぞれに記載し、封筒中央下に喪主の名前を書きます。
- 御布施:3万~5万円
- 御車代(出向いていただいた場合):3千~1万円
- 御膳料(会食のある法要で、僧侶が参席しない場合):5千円~1万円
また、お布施・お車料・お膳料の包み方は3通りあります。こちらも地域によって異なりますが、白い封筒が最も多く用いられています。二重になっている封筒は「不幸が重なる」という意味あいにつながるため、避けましょう。
お布施を包む封筒
- 白い封筒(郵便番号記入欄などのない、真っ白なもの)
- お札を半紙で包んでから、奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)に包む
- 双銀、もしくは白黒の水引きのついた封筒(関西では黄色と白の水引きも)
僧侶にお渡しするお金は不祝儀ではないので、表書きは薄墨ではなく黒墨を用いてください。封筒の裏、もしくは中袋の裏面左側には住所・氏名を記入し、必要に応じて金額も記載します。お布施の本来の意味では金額の記載は不要なのですが、近年では寺院の経理・税務の関係上書いたほうがよいケースが多いようです。金額の頭には「金」の文字を付け、旧字体の漢数字を用いて「金 ○萬円」などと書きます。