不祝儀袋を開けて、内袋の余白に「香典返しのお気遣いは不要でございます」と添えられていたら……「遠慮しているだけ?」「お返しされると困るの?」と悩みますよね。では、「どう考えればよいか」をケース別に見ていきましょう。
本来は「贈らなくてもいい」ケースはない
香典返しを辞退する方の中には「お返しいただくほどの額ではないから」という考えもあるようですが、喪家にとっては金額に関わらず皆「故人のためにお供えしてくださった」人。基本的には「ご辞退なさってもお贈りするのが礼儀」だと考えておきましょう。
ご辞退なさった「理由」を察して
複雑なしきたりを好まない
「お供えをしたい気持ちはあっても、香典返しなどの複雑なしきたりは好ましくない」と考える方もいます。こういった方は、一筆添えるだけでなく、香典の額も「香典返しを差し引いた程度」にしていることが多いようです。香典返しを用意するとかえって気を遣わせてしまいますので、香典返し辞退の旨を添えたお礼状をお送りするようにしましょう。
職場などで受け取るのを禁じられている
公職の方など、香典返しを「受け取れない」立場の方もいらっしゃいます。お贈りすると気を遣わせるどころか迷惑になりかねませんので気をつけましょう。ちなみにこういった方も、香典の額を調整していることが多いようです。
「遺族のために役立ててほしい」と考えている
一家の生計を支える人が亡くなった場合、「香典を生活や教育に役立ててほしい」と、遺族のためを思って香典返しを辞退なさる方もいます。せっかくのご厚意ですから、そのまま半返しにしたのではかえって失礼になりかねません。親しい方であれば、会食などの席を設けて遺児の成長を報告したり、香典返しの名目でなくても、気持ちのこもったささやかな贈り物を用意するなどしてフォローするとよいでしょう。