引越しのあいさつは、ご近所にどのような方が住んでいるかを知る意味で、自分たちにとっても大切なポイントです。ただし、女性の一人暮らしの場合は防犯上の問題が起きかねませんので、管理人やオーナーへのあいさつにとどめておきましょう。
どこに、いつごろ、どんな引越しのあいさつをする?
一軒家は向こう三軒両隣、マンションは上下と両隣に
一般的に、一軒家の場合は向こう三軒(お向かいとその両隣)と自宅の両隣の家にあいさつをするとされています。マンションの場合は、両隣と床の物音やベランダなどで関わりのある自宅の上下の部屋にあいさつをしておくとよいでしょう。また、マンションの場合は管理人、賃貸でオーナーの家が近い場合にはそちらにもあいさつをしておくと安心です。
引越し当日の片付いたあとか、その後1週間以内で
引越し作業は道をトラックでふさいだり、エレベーターを占拠したりと近隣の方にも影響します。引越し当日、夕方までに片付いたならその日のうちにおわびかたがたあいさつを済ませてしまいましょう。作業が夜遅くなったり、先様がご不在だったりした場合も、できるだけ1週間以内に訪問・再訪します。時間帯はおおむね10時から18時の間に収め、食事時や早朝、夜間は避けましょう。
自己紹介、引越し作業のおわび、懸念されることを伝える
あいさつの際は、まずどこへ引越してきたかや家族構成などの紹介をします。そして、引越し作業で騒がしかったことへのおわびを述べ、さらに先様に迷惑をかける懸念(子どもが小さい、帰宅が深夜早朝になりやすいなど)がある場合はその旨と、ご迷惑をおかけするかもしれませんと一言伝えておきましょう。
失敗しない! あいさつの手土産の選び方
引越しそばの振る舞いは最近あまり見られない
引越しというと「引越しそば」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。本来は江戸時代に始まったとされる、転居のあいさつのために隣近所へそばを振る舞う風習のことを言います。この風習にならって、手土産としてそばを持っていくこともあったようです。しかし、住宅事情や生活スタイルが多様化した現在では、あまり見られない風習となっています。最近は、引越し先で自ら食べるそばを、引越しそばと呼ぶこともあるようです。
タオル、ゴミ袋、洗剤など気兼ねしない消耗品を
そばに代わって定番となったあいさつの品が、タオルやその地域指定のごみ袋、台所用や洗濯用の洗剤、食品保存用の袋などの日用消耗品です。デザインや種類などもあまり奇をてらわず、どなたでも使いやすいものを選ぶようにしましょう。
日持ちしない食品、好みの分かれる食品はNG
ごあいさつ先は初対面で、生活スタイルや好みも全くわからない方です。生ものやお酒などの嗜好品、からい食品など好みが分かれる品物を差し上げても、場合によっては持て余してしまうかもしれません。日持ちするお菓子など、扱いやすいものを選びましょう。遠方から転居する場合は、旧居近辺の名産品などを選ぶと、覚えていただきやすく話も弾みます。