鰹(かつお)節が「おめでたい品」であることはなんとなく知っていても、なぜそうなのかは意外と知らないもの。ここでは、結納や結婚内祝いなどの慶事で扱われる「鰹(かつお)節」について知っておきたい内容をまとめました。
はじめに
鰹(かつお)節とは、鰹(かつお)の身を加熱し、乾燥させて作る食品のことで、薄く削り出してだしをとったり、そのまま食したりします。昔は家庭で専用の削り器を使って削り出すものでしたが、最近はあらかじめ削り出された「削り節」を使うことも多いようです。
「鰹(かつお)節」はなぜ「おめでたい」と言われるようになった?
長期保存ができることから重宝された
鰹(かつお)節やそれに類するものはかなり古くから食べられていたとされますが、現在に近い形となったのは江戸時代のこと。水分をほとんど含まないため保存性に優れ、栄養価が高いことから携帯食としても重宝されてきました。
「勝男武士」と呼び、武運を願うように
また、鰹(かつお)節は同じ音で「勝男武士」とも呼ばれ、武家社会で男性の力強さを表す品、縁起のいい品とされました。現在でも結納品として贈られる場合にこの字が当てられ、保存食であることから「末永い幸せ」を願う意味があるとされています。
結納だけでなく、あらゆる内祝いの定番
「雄節」「雌節」は夫婦の象徴
鰹(かつお)節は鰹(かつお)を3枚に下ろしたその半身を、さらに2枚に下ろして作られます。背側の身で作られたものは「雄節」、腹側の身で作られたものは「雌節」と呼ばれ、2本がぴったりと合わさって1つの形になることから結納や結婚を祝う品となったのです。
亀や松竹梅にもなぞらえられる縁起物
鰹(かつお)節の雄節・雌節を合わせた形が亀の甲羅に似ていること、また表面の黒い皮を松の緑、削った肌の縞模様を笹(竹)、先端の切り口を梅に見立てて「松竹梅」となることなどから、お祝い事全般に好ましい縁起物とされ、結納や結婚祝いの他にも、結婚内祝いの定番中の定番とされています。