結納品や結納金は、結納の際に男性の家から女性の家へ持参するものですが、結納返しは、結納品や結納金に対するお礼として女性の家から男性の家へ贈られる品やお金のことを言います。まずはその内容を見ていきましょう。
正式な結納返しのマナーも押さえましょう
本来は縁起物や用途の決まったお金を用意するもの
地域によっても差がありますが、正式な結納返しの品目はおおむね下記のようになっています。
<お金>
- 目録:結納返しの品の内容を記したものです。
- 御袴料(おんはかまりょう):男性用の袴(はかま)を仕立てるためのお金。現在ではスーツや時計などを贈るケースもあります。
- 家内喜多留(やなぎだる):宴席の酒肴(しゅこう)に充てるお金のこと。関西では酒料・肴料にわけられます。
<縁起物>
- 熨斗(のし):干したあわびを長く伸ばしたもの。
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留女(するめ)
- 友白髪(ともしらが):白い麻糸を白髪に見立てたもの。
- 末広(すえひろ):白無地の扇子一対。
詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。
意外と知らない! 結納返しのマナーとは?
徐々に簡略化され、今は記念品のみの場合も多い
このように本来はたくさんの品目を用意していた結納返しですが、結納の儀式と共に徐々に簡略化され、昨今では、“熨斗・末広・御袴料(または服飾や記念品)の3点のみ”や、“御袴料代わりの記念品のみ”とされることが多いようです。
結納返しの記念品、どうやって選ぶ?
スーツや礼服、時計、カフスなど長く使える品が定番
本来の御袴料が男性の袴(はかま)を仕立てるお金だったということもあり、御袴料の代わりとして用意する記念品も、正装する際に使う服飾アイテムが定番となっています。スーツや時計、貴金属をあしらったネクタイピンなど、年齢を重ねてもずっと使える品が喜ばれます。特に、若いうちは着る機会の少ない礼服をこの機会にあつらえておくと、いざという時安心です。
家具や家電など新生活に役立つものを贈るケースも増えてきている
結納への考え方も多様化してきた最近では、家具、家電など新生活で使うものを結納返しとして贈ることも増えているようです。
例えば一眼レフカメラは、“新しい家族の記録を残すもの”という意味も込められてすてきですよね。ただし、あくまで女性の家から男性の家へ贈るものですので、家具、家電でも主に男性が使う品物、男性が欲しいものを選ぶように気をつけましょう。