突然の入院の知らせを聞いたとき、いち早くお見舞いに駆けつけたいところですが、お相手のことを第一に考えることが大事です。入院はデリケートな場面ですので、まずはお相手やご家族を思いやる気持ちが伝わるような振る舞いが望まれます。こちらではお見舞い・入院見舞いのタイミングやお見舞いの品、お金を包む際のマナーなどをご紹介します。
お見舞い・入院見舞いのタイミングはお相手を第一に考えよう
入院と聞いてすぐ駆けつけたいと思っても、まずはお見舞いに行くか行かないかをよく検討する必要があります。
入院してすぐは体調が安定していなかったり、気持ちの面で落ち着いていなかったり、お見舞いに行くべきではない状況かもしれません。お相手やご家族と連絡がとれる場合は、お見舞いしても大丈夫かどうか確認をしましょう。
お相手の体調が回復して、お話できるようになってからでも遅くはありません。まずはお相手の体調や心情を第一に考えることが大切です。
お見舞い時のマナー
病気・ケガに関わらず、入院されている方は気持ちの面でとてもデリケートになっているかもしれません。病院は治療をする場所であることを大前提に、お見舞いの振舞い方を考えてみるとよいでしょう。
少人数・短時間が基本
お見舞いはできれば1人、多くても2〜3人と少人数で伺うのが理想です。大部屋の場合にはさまざまな患者さんがいますし、たとえ個室の場合であっても、大人数でお見舞いするのは望ましくありません。
入院患者さんのなかには、免疫力の下がっている方もいらっしゃいます。風邪やインフルエンザなどの感染症予防のためにも、大人数で長居するのは避けるべきです。お相手の体調を考慮して、あまり疲れさせないよう20分くらいを目安に退室するようにしましょう。
同様に小さなお子さんがお見舞いするのもできるだけ避け、どうしても連れて行く場合はマスクや手の消毒、病院内では静かにできるように言い聞かせるようにしてください。
眠っていたら起こさずに
お相手が眠っている場合は、休養の邪魔にならないよう起こさずにそっと退室しましょう。お見舞い品を持参した場合は、ナースステーションに預けて帰るのがマナーです。付添人がいらしているなら、その方に託して構わないか尋ねてみてください。
会話の内容にも心配りを
励ましたい、元気づけたいと思って励ましの言葉をかけても、その言葉がプレッシャーになってしまうこともあります。回復期ではない方にとっては「頑張って」「早く良くなって」などは、酷な言葉になりかねません。その場合は早い回復を願う言葉よりも、「ゆっくり休んでね」「無理しないでお大事にね」のような言葉が良いでしょう。
飲食物を贈る際に気をつけること
お見舞いでは果物やお菓子がよく贈られますが、病状によっては食事制限などでお見舞いの品を飲食できない場合があります。付き添いのご家族か病院に確認をとり、配慮した品選びが必要です。
また、飲食物を贈る場合は傷みやすいものや食べづらいもの、生ものや揚げ物は避けた上で、相手の好きな食べ物やある程度日持ちのするもの、適度な量の果物がよいでしょう。場合によっては、ミネラルウォーターやお茶などが喜ばれることもあります。
お見舞い金・入院見舞い金の相場とお金の包み方
お見舞いに品物か現金、どちらを贈るか悩むこともありますが、特に決まりはありません。入院生活は何かとお金がかかるのでお見舞金を贈ると喜ばれますが、上司や恩師など目上の方へのお見舞いは現金を包むのを避ける傾向があります。その場合は現金の代わりに、プリペイドカードやギフト券、商品券を贈る方がよいでしょう。
お見舞い金の相場は、お品と同様に3,000円から10,000円と言われています。お相手別の金額の目安をご紹介します。
親・兄弟・祖父母・親戚:5,000円から10,000円
知人・友人:3,000円から5,000円
仕事関係:3,000円(有志数名で出すときの一人あたりの金額)
ご近所さん:3,000円
※「死」や「無」、「苦」を連想する4、6、9が絡む金額は避けましょう。
お札は旧札を用意
結婚式や出産などのお祝い金は新札を用いますが、入院お見舞いは旧札を用意します。とはいえ、クシャクシャなお札を包むのは失礼にあたりますので、少し使用した感じのものがベストです。新札は「あらかじめ準備していた」と思われる方もいますので、一度折り目を付けて包むとよいでしょう。
お札の向きは表+上向き
お見舞い金のお札の向きは、「表+上向き」になるようにしましょう。封筒からお金を出すとき、表面に紙幣の肖像画がすぐに見えるようになっていれば正解です。これは慶事の際のお金の向きと同じですが、「喜ばしい出来事」という意味ではなく「元気になる」「前向きになる」という願いが込められています。
紅白の結びきりか水引きなし+熨斗鮑(のしあわび)なし
入院見舞いに適した袋は紅白の水引きか、もしくは水引きなしのものを使います。水引きは病気が二度と起きないことを願い、「あわじ結び」か「結びきり」を選びましょう。不幸や病気を繰り返す意味のある「蝶結び」はNGです。
また、封筒右上にある熨斗鮑はお祝い事のみに使われるものです。入院見舞いには熨斗が付いていないものを必ず選んでください。
重篤な場合や原因が事故や流産などネガティブな場合、また、水引きは大げさに感じる場合などは、水引きなしの赤い帯の付いたお見舞い用の封筒か、白い無地の封筒を用います。
表書きは袋の中央に「御見舞」(送り仮名なし)、水引の下に自分の名前をフルネームで書きます。手書きの場合は、ボールペンはNG。筆か筆ペン、太めのフェルトペンなどを使いましょう。
お見舞い・入院見舞いの花のマナー
お花を贈る場合もマナーがあります。生花の持ち込みが禁止されている病院もありますので事前に確認が必要です。
お相手が好きな花や明るい花を集めたフラワーアレンジメント、すぐに飾れるミニバスケットの花、プリザーブドフラワーなどがよいでしょう。
購入する際は、お花屋さんに入院見舞いであることを伝えてアドバイスしてもらうのが一番です。
入院見舞いにお花を贈る場合、以下のお花は避けましょう。
その他、花瓶が必要な花やスペースを取る花など、手間をかけさせるものも同様に避けてください。
入院見舞いは、お相手の容態や気持ちを考えたうえで負担をかけさせないことが大切です。今回ご紹介したマナーやお見舞いの品の選び方を参考にしてからお見舞いに伺ってください。