四十九日を過ぎてからの年忌へ参列していただいた方からのお供えのお返しが、「引出物」や「お返し」と呼ばれます。ここでは、引出物のマナーとおすすめのお品をご紹介します。
引出物の金額の相場
引出物の金額の相場は、いただいた額の1/3〜1/2程度といわれています。ただ、年忌にお招きした方には会食と合わせてその場でお渡しするので、お供えの額によらず2,000〜5,000円程度のお品を用意することが多いようです。
引出物ののしや表書き
年忌のマナーとして、お返しののしの種類を使い分けることがあります。一周忌までは黒白か双銀の結び切り、三回忌以降は青白か黄白の結び切りの水引を用います。表書きは、「志」または「粗供養」とします。
包装紙は、白や黒、グレーもしくは落ち着いた色調の青や緑のものを選びます。菊の模様などのシンプルな柄が入ったものでもよいでしょう。
のし紙の上側は地域・宗派により書き方がさまざま
のし紙の上側は、地域・宗派によって書き方がさまざまです。たとえば「粗供養」は、供養の粗品という意味であり、西日本などで使われています。
「茶の子」はお茶やお茶菓子という意味ですが、中国・四国・九州の一部地域では法事のお返し・引出物と香典返しの表書きとして使われています。
ちなみに「偲び草」は、神道で使われている書き方です。地域・宗派によって色々な書き方がありますね。
表書きの文字の色
表書きの文字の色は、慶事は濃い墨、弔事は薄い墨で書くのが基本とされています。しかし、関東の一部の地域では法事のお返し、引出物は濃い墨で書くこともあり、法事を行う地域の慣習に合わせるのがよいでしょう。
引出物におすすめのお品
不祝儀であることを考えて、消耗品や食べ物などあとに残らないもの(消え物)がよいとされています。洗剤や石鹸(せっけん)、お茶や海苔などの乾物、お菓子などが一般的でしょう。また、重い物、かさばるもの、持ちづらいものを避けるため、最近では、お渡しする方が好きな商品を選べる、カタログギフトなども引出物としても重宝されています。
引出物は、基本的に参列者全員に用意する必要があります。実用品や故人らしさを感じさせる品物を選びたいところですが、帰りに持ち帰る手間を考慮して、かさばる品物や重い品物は避けるようにしましょう。
郵送する場合
引出物を郵送する場合にはお礼状を同封するようにします。時候のあいさつを用いず、お供えをいただいたことに対するお礼、法事が滞りなく済んだ報告を記すようにします。