香典返しは、遺族が香典をお供えいただいた方へ、無事に弔事を終えたことのお礼をお伝えするためにお返しをお贈りします。香典返しとひとくちに言っても、贈る品物はどうすればよいか、金額やマナーはどうなっているのか、香典返しと会葬御礼の違いなど気になる方も多いでしょう。この記事では、香典返しに喜ばれるおすすめのギフトをご紹介するとともに、マナーや金額相場について最新情報をまとめています。
※過去1年以内に、香典返しを受け取った男女400名にインターネット調査
※調査期間:2024年8月28日~9月2日
香典返し(後返し)・会葬御礼の違いとは
弔事にまつわるお返しには、香典返しと会葬御礼があります。
会葬御礼は会葬返礼品ともよばれ、お通夜や葬儀に参列したすべての方にお渡しする贈り物です。香典の有無にかかわらず、すべての弔問客にお渡しする決まりとなっています。タオルやコーヒーなど日常生活に役立つものが定番で、お通夜や葬儀へ来ていただいたことに対する感謝の気持ちとしてお渡しします。
一方、香典返し(後返し)は、四十九日法要までの間にいただいた香典に対する返礼品です。基本的に、香典を受け取らなければ渡すことはありません。もし、当日に会葬御礼と一緒に香典返しをお渡しする当日返し(即日返し)を贈る場合には、会葬御礼と混同しないよう、掛け紙などに注意しましょう。
会葬御礼で実際にいただいたお品といただくとうれしいお品は?
アンケートで「実際に会葬御礼でいただいたお品」と「会葬御礼にいただくとうれしいお品」についてお聞きした結果がこちらです。
会葬御礼にいただいたお品
- お茶・珈琲・紅茶 44.3%
- カタログギフト 39.5%
- 海苔などの乾物や調味料などのストックフード 31.8%
- お菓子 19.5%
- タオル 9.8%
会葬御礼にいただきたいお品
- 自分で好きなものを選べるカタログギフトや商品券 71.3%
- お茶、珈琲、調味料、海苔、ジュースなどの食品 38.5%
- タオルや洗剤、石けん、寝具などの日用品 13.3%
- 故人の思い出や人柄が感じられるもの 6.5%
- その他 1.5%
※複数回答
実際に「会葬御礼にいただいたお品」を見てみると、会葬御礼の定番である「お茶・珈琲・紅茶」が最も多く、2位にはギフトで選ばれることが多い「カタログギフト」、3位「海苔などの乾物や調味料などのストックフード」というランキングになりました。
一方、「会葬御礼にいただきたいお品」の回答結果は、断トツ1位が「自分で好きなものを選べるカタログギフトや商品券」、2位「お茶、珈琲、調味料、海苔、ジュースなどの食品」、3位は「タオルや洗剤、石けん、寝具などの日用品」という結果に。
実際にいただく会葬御礼では、「お茶・珈琲・紅茶」がトップでしたが、いただきたい会葬御礼のお品では、好きなものを選ぶことができるカタログギフトや商品券が人気でした。会葬御礼のお品物を選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてください。
会葬御礼の目安の金額は?
実際に、会葬御礼の金額相場について見てみましょう。
アンケートで「いただいた会葬御礼は、いくらぐらいのお品だったことが多いですか?」とお聞きした結果がこちらです。
いただいた会葬御礼のお品の金額は?
500円未満5.5%
500円~1,000円未満23.8%
1,000円~2,000円未満38.3%
3,000円~5,000円未満36.5%
5,000円以上10.8%
複数回答
最も多かったのは「1,000円~2,000円未満」で、2番目に多かったのは「3,000円~5,000円未満」でした。
会葬御礼は、参列者全員にお渡しするものなので、この結果も参考にしながら、高すぎず、安すぎないものを選ぶとよいでしょう。
香典返し(後返し)で実際にいただいたお品といただくお品でうれしいものは?
香典をいただいた方へ贈る返礼品の香典返し(後返し)について、アンケートでお聞きした結果がこちらです。
香典返し(後返し)にいただいたお品
- カタログギフト 33.3%
- 海苔などの乾物や調味料などのストックフード 22.5%
- お茶・珈琲・紅茶 22.0%
- お菓子 21.3%
- タオル 8.5%
香典返し(後返し)にいただきたいお品
- 自分で好きなものを選べるカタログギフトや商品券 67.5%
- お茶、珈琲、調味料、海苔、ジュースなどの食品 33.8%
- タオルや洗剤、石けん、寝具などの日用品 12.3%
- 故人の思い出や人柄が感じられるもの 6.8%
- その他 1.0%
※複数回答
実際に「香典返しでいただいたお品はどんなものですか」とお聞きしたところ、最も多かったのは1位「カタログギフト」で、2位は「海苔などの乾物や調味料などのストックフード」、3位は「お茶・珈琲・紅茶」という結果になりました。
また、「香典返しにいただくならどんなものがうれしいですか」とお聞きしたところ、一番多かったのは「自分で好きなものを選べるカタログギフトや商品券」とこちらも1位は「カタログギフト」が選ばれる結果に。2位は「お茶、珈琲、調味料、海苔、ジュースなどの食品」、3位は「タオルや洗剤、石けん、寝具などの日用品」でした。
香典返し(後返し)では、実際にいただくお品といただきたいお品の両方でカタログギフトが選ばれていました。カタログギフトの、自由に好きなものを選ぶことができる点が支持されているようです。
香典返し(後返し)の目安の金額は?
香典返し(後返し)を贈る際に気になるのが、金額。いくらくらいのお品物をお渡しするとよいのでしょうか。
アンケートで「香典返し(後返し)は、お渡ししたお香典に対して、いくらぐらいのお品でしたか?」とお聞きした結果がこちらです。
いただいた香典返し(後返し)のお品の金額は?
香典の半額程度40.0%
香典の1/3程度32.5%
香典の1/3以下20.0%
香典と同額程度4.8%
香典の2/3程度3.5%
香典の額面以上0.8%
後返しを受け取ったことはない9.3%
複数回答
最も多かったのが、「香典の半額程度(40.0%)」で、次に多かったのは「香典の3/1程度(32.5%)」でした。
一般的に香典(後返し)の相場は、いただいた香典の半額(半返し)から3分の1程度とされており、アンケートの結果からも同じような金額でお返ししている方が多いことがわかりますね。
香典返し(後返し)を購入する場合に重視するポイントは?
では、実際に香典返し(後返し)を贈られた方は、どのような点をポイントにして選ばれているのでしょうか。
アンケートで「ご自身で香典返し(後返しに限る)を購入する場合、何を重視して選びますか?」とお聞きした結果がこちらです。
ご自身で香典返し(後返し)を購入する場合、何を重視する?
- 予算に合わせて選べる、さまざまな価格帯の品物がある 38.3%
- 家にいながらネットで購入できる 30.0%
- みなさまに喜んでいただける定番的な品物がある 29.8%
- 包装や挨拶状など、香典返し専用のサービスがある 27.8%
- マナーなどのケアをお店側がしてくれる 26.5%
- 急いでいるときにも短期で届けることができる 13.3%
※複数回答
最も多かった回答は、「予算に合わせて選べる、さまざまな価格帯の品物がある」でした。価格帯のバリエーションが豊富であれば、贈り先さまへより配慮したお品物を選ぶことができそうです。
2番目に多かったのは「家にいながらネットで購入できる」でした。香典返しを選ぶ作業もそう簡単なものではありません。自宅からネットで手軽に購入できる便利さは大事なポイントになっています。
3番目は「みなさまに喜んでいただける定番的な品物がある」こと。せっかくお渡しする香典返しですから、喜んでいただきたいですよね。定番のお品物であれば、安心して贈ることができます。
4番目は、「包装や挨拶状など、香典返し専用のサービスがある」ことで、5番目は「マナーなどのケアをお店側がしてくれる」でした。香典返しを贈る際には、包装や挨拶状も必要になりますし、それに応じたマナーがあります。贈る機会があまりない香典返しだからこそ、安心して贈ることができるサービスを選ぶことも重要です。
6番目は「急いでいるときにも短期で届けることができる」点でした。お通夜や葬儀の際は、限られた時間のなかで急いで準備をしなければなりません。急な依頼にも対応できることは香典返しを選ぶ際に重要です。
香典返し(後返し)・会葬御礼では「カタログギフト」がおすすめ
香典返し(後返し)・会葬御礼にはさまざまなお品物がありますが、何を贈ろうか検討中の方には「カタログギフト」がおすすめです。
カタログギフトは、さきほどご紹介した「会葬御礼でいただくとうれしいお品ランキング」と「香典返し(後返し)でいただくとうれしいお品ランキング」の両方で1位に選ばれ、多くの方から人気があるお品物。
ネットで手軽に注文ができ、急いでいるときでも対応してくれます。また、挨拶状や包装など、香典返しに特化したサービスも充実しており、安心して贈ることができるでしょう。
おすすめのお品
香典返しの品物選びで失敗しないために、ここに注意!
香典返しを贈る際には、注意点もあります。
例えば、香典返しで贈った品物がネットなどで割引されているケース。
アンケートで「香典返しでいただいた品物が、ネットなどで割引されているものだとわかったらどう思いますか」とお聞きしました。
香典返しでいただいた品物が、ネットなどで割引されているものだとわかったらどう思う?
かなり残念7.5%
残念17.0%
どちらともいえない27.0%
気にならない34.0%
まったく気にならない14.5%
「かなり残念(7.5%)」「残念(17.0%)」をあわせて、残念に感じる方が2割以上にものぼることがわかりました。「まったく気にならない(14.5%)」方もいらっしゃいますが、こうした事態はなるべく避けたいものです。
香典返しの品物を扱っている老舗の企業に依頼すれば、こうした失敗も避けることができるでしょう。香典返しをお探しになる場合には、どの企業に注文するかも大切なポイント。ぜひ参考にしてみてください。
香典返しを辞退できるってみんな知ってるの?
香典返しを辞退できると知っていた?
知っていた43.3%
知らなかった56.8%
ここまでは香典返しを贈る際のおすすめのギフトや金額について解説してきました。
しかし、実は、香典返しを辞退できることをご存知でしょうか。
実際にアンケートで、「香典返しを辞退できると知っていますか」とお聞きしたところ、
「知っていた」方は43.3%、「知らなかった」方は56.8%でした。
香典返しを辞退できることについて知らない方が多いのが現状ですが、近年では参列者の負担を減らしたいという理由などから、香典の辞退を検討する方が増えています。
また、遺族に負担をかけたくないという理由から、香典を差し上げる側からも香典返しを辞退するケースが増えつつあります。
実際に香典返しを辞退したことがある人はどのくらい?
香典返しを辞退したことがある?
辞退したことがある17.5%
辞退したことがない82.5%
「実際に香典返しを辞退したことがありますか?」とお聞きしたところ、「辞退したことがある」方は17.5%。数は少ないものの、香典返しを辞退する文化は確かにあることがわかります。
香典返しの辞退の申し出があったら、どうしたらいい?
では、実際に香典返しの辞退の申し出があった場合には、どのように対応するとよいのでしょうか。
アンケートで「実際に香典返しを辞退した際のご遺族の対応」についてお聞きした結果がこちらです。
香典返しを辞退した際のご遺族の対応は?
辞退したが、香典返しをいただいた32.9%
挨拶状やお礼状をいただいた30.0%
「香典返し」以外の名目でお返しをいただいた27.1%
電話やメールでご挨拶があった17.1%
何の対応もなかった10.0%
その他1.4%
複数回答
最も多かったのは「辞退したが、香典返しをいただいた(32.9%)」で、2番目に「挨拶状やお礼状をいただいた(30.0%)」ケースが多くなりました。
また「『香典返し』以外の名目でお返しをいただいた」という方も27.1%にのぼり、1〜3番目をあわせると、90%の方が香典返しを辞退しても、遺族からお返しをいただいていることがわかります。
なかには、「何の対応もなかった(10.0%)」ケースもあるようですが、香典返しを辞退した場合でも、何らかのかたちでお礼のお気持ちをお伝えしたほうが失礼がないでしょう。
香典返しの辞退という新しい文化もありますが、感謝の気持ちを伝える機会は大切にしたいものです。
調査実施:ギフト総合研究所