「喪中見舞い」は、喪中ハガキの返事として年明けの「寒中見舞い」よりも前に手紙やギフトを贈り哀悼の意を伝える事を指します。比較的新しいお悔やみの方法ですので、聞いたことはあるけどどうしたらいいの? と迷われる方もいるでしょう。この記事では、アンケートを通してわかった喪中見舞いにおすすめのギフトランキングや、喪中見舞いのマナーをご紹介しています。
※昨年、喪中見舞いをもらった男女400名にインターネット調査
※調査期間:2024年1月29日~2月2日
「喪中見舞い」とは?
喪中見舞いとは、喪中ハガキをいただいた方に対して、お悔やみの気持ちを伝えるためにハガキやお悔やみ状、お線香やお花などのお供え物、お香典をお贈りすることです。喪中見舞いには必ずお品物を贈らなければいけない、というわけではないですが、喪中ハガキの返事としてハガキやお手紙は必ず送るようにしましょう。
これまでは喪中ハガキをいただいたら、年明けに寒中見舞いとしてお返事することが習慣でした。しかし、近年では早めのお返事として喪中ハガキを受け取ったらすぐに喪中見舞いを贈る方が増えています。
喪中見舞いにお贈りするお品物のバリエーションも、近年では多様化してきています。喪中見舞いを検討される方は、この後にご紹介するランキングを参考にしてみてください。
意外と知られていない喪中見舞い
前述したように喪中見舞いとは、喪中ハガキの返事として年明けに送っていた「寒中見舞い」よりも早くお悔やみを伝えたい、という声から生まれた新しい風習です。
近年ニーズの増えてきている喪中見舞いですが、実際の認知度はどのくらいなのでしょうか。
喪中ハガキを受け取ったときに、喪中見舞いを贈る風習をご存知でしたか?
知っていた44%
もらってはじめて知った56%
「知っていた」と回答した方は44%でした。一方、「もらってはじめて知った」と回答した方は56%という結果になり、喪中見舞いの風習を知らなかった方のほうが多いことがわかりました。
まだまだ認知度の低い喪中見舞いの風習。実際にご自身が喪中見舞いを贈る際に、お相手が喪中見舞いの風習をご存じない可能性もありますから、喪中であるご遺族の方へ失礼のないよう、喪中見舞いのマナーや相場、喪中見舞いにふさわしい贈り物について確認しておくことをおすすめします。
ご遺族が喪中見舞いにいただきたいギフトは?
では喪中見舞いに贈って失礼のない、ご遺族の方が喪中見舞いにいただきたいと思うものはどんなものなのでしょうか。
喪中見舞いを受け取ったことのある方に「喪中見舞いにいただきたいギフトはどんなものですか?」とお聞きした結果がこちらです。
2024 喪中見舞いにいただきたいギフトランキング
ハガキ・手紙などでのお悔やみの言葉 2024年42.0%/2023年59.8%
線香やろうそく 2024年21.5%/2023年16.3%
現金(お香典) 2024年16.3%/2023年20.8%
お菓子 2024年14.0%/2023年10.8%
カタログギフト 2024年13.8%/2023年10.3%
ギフト券 2024年13.8%/2023年11.3%
※複数回答
1位は「ハガキ・手紙などでのお悔やみの言葉」で、昨年に引き続き1位でした。喪中ハガキを受け取ったらお悔やみの言葉とともに何かしらのお返事を差し上げるのが基本的なマナーとなっています。年明けに送る「寒中見舞い」よりも早く送る「喪中見舞い」としていただくハガキやお手紙でのお言葉は、ご遺族の方にとって一番気持ちの伝わるものなのかもしれません。
2位は、お供え物の「線香やろうそく」でした。昨年よりもひとつ順位を上げています。
3位は、「現金(お香典)」。昨年からひとつ順位を下げていますが、訃報の知らせを受けてお香典をお贈りするケースも少なくないようです。
4位の「お菓子」も、お供え物として喪中見舞いで贈られることの多いお品物のひとつです。
5位は、「カタログギフト」でした。昨年は6位でしたが、今年の調査ではベスト5にランクイン。ご遺族が自身のご都合に合わせてお品物を選べるなどのメリットがあります。
同率5位だったのが「ギフト券」。こちらもカタログギフト同様、用途が自由であることから受け取り手にとってメリットが多いギフトとなっています。
喪中見舞いを選ばれる際には、ぜひいただいた方のホンネも参考にしてみてください。
1位 ハガキ・手紙などでのお悔やみの言葉
昨年に続いて1位となった「ハガキ・手紙などでのお悔やみの言葉」ですが、贈る際にはどんなポイントをおさえるといいのか見てみましょう。
ハガキを選ぶ際は、スタンダードな白、もしくはブルーやグレーなどの寒色のものにしましょう。絵柄はヤマユリ、胡蝶蘭などの白を基調とした控えめなものがおすすめです。ハガキに使用する切手は、弔事用の85円普通切手・菊を使用します。
ハガキや手紙を書くときには、文章の中身にもご遺族への配慮が必要です。
最初に、「ご丁寧なご挨拶状ありがとうございます」などと書くのが一般的となっています。このほか、ご遺族の身体を気遣う言葉や、故人との思い出を共有するような言葉を選びましょう。新年に出す文章ですが、おめでたい言葉(おめでとうございます・賀正・迎春など)は避け、頭語(拝啓・復啓)や結語(敬具・拝答)も必要ありません。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
2位 線香やろうそく
「線香やろうそく」は、昨年からひとつ順位を上げる結果となりました。
仏式の葬儀や法事などでお線香やろうそくをお贈りしますが、喪中見舞いでもお線香やろうそくはよく贈られています。
また、ろうそくはお線香を用いないキリスト教や神道などの宗教の方へもお贈りしやすいお品です。贈答用のお線香では、「伽羅(きゃら)」「沈香(じんこう)」「白檀(びゃくだん)」といった高級素材が用いられたものが多く、家庭用のお線香よりも高価です。近年は、上品な香りのお線香や煙の少ないお線香など、バリエーションも豊富になっています。
お線香とあわせて、ご遺族の方がそれぞれのご事情に応じて欲しいものを選べるカタログギフトとのギフトセットも登場していますので、参考にしてみてください。
3位 現金(お香典)
昨年のランキングから「線香・ろうそく」と入れ替わる形で1つ順位を下げた「現金(お香典)」ですが、実は、お香典を贈るタイミングを逃してしまった場合、喪中見舞いとして香典を贈ることができます。注意するポイントは、新札は使用しないこと。また、喪中見舞いのお手紙を添えるのも忘れないようにしましょう。
4位 お菓子
昨年からひとつ順位を上げた4位の「お菓子」は、お供えものとして喪中見舞いに贈られることが多いお品です。
お菓子を贈る際は、ご遺族の方が焦らなくて済むよう、ある程度日持ちするものを選ぶことをおすすめします。また、生ものは避け、できる限り常温保管できるものを選びましょう。
パッケージや包装も、喪中の方にお贈りするのにふさわしい、落ち着いた色合いのものを選ぶことをおすすめします。
5位 カタログギフト
昨年はベスト5圏外だった「カタログギフト」ですが、今年は5位にランクイン。
「喪中見舞いにカタログギフト?」と思われる方もいるかもしれませんが、ランキングからもわかる通り、近年では喪中見舞いにカタログギフトを選ぶ方が増え、いただいた方からも喜ばれています。
喪中見舞いのカタログギフトは、水引をはじめ、喪中見舞いにふさわしいパッケージのものや、喪中見舞い専用のメッセージカード付きのサービスなどが充実しています。
喪中見舞いカタログギフトであれば、喪中見舞いを贈る風習をご存じなかった方や喪中見舞いを初めて贈る方でも安心してお贈りできます。
同率5位 ギフト券
昨年に引き続き5位に選ばれた「ギフト券」。同率だったカタログギフト同様、受け取り手の使用用途の自由度が高く、パッケージのデザインが弔事用に配慮されていたりと、喪中見舞いに相応しい要素が多いギフトです。中にはお花券といった、ご遺族の方が故人の方がお好きだったお花を購入する際に使用できるギフト券もあるようです。
また近頃では、商品券やギフト券、ギフトカードが選べるカタログギフトもあります。「ギフト券だけだと物足りない…」「気持ちが伝わるか不安…」という場合もカタログギフトなら豊富なバリエーションの中から好みのものをセレクトしていただけるので、物足りなさなどの不安を解消することができそうです。
喪中見舞いは喪主であるお相手のことを想ってお贈りすることが前提ですので、少しでも役立つものやご遺族の方の気持ちに寄り添えるギフトを贈りたいですね。
喪中見舞いの相場は?
喪中見舞いを贈る際に気になるのが、金額相場です。アンケート調査からわかった金額相場は以下の通りです。
喪中見舞いの相場はいくらくらい?
お線香やお花など、供物の場合
~1,000円程度 32.6%
~2,000円程度 15.9%
~3,000円程度 26.2%
~5,000円程度 16.2%
~10,000円程度 3.4%
~15,000円程度 0.75%
~20,000円程度 1.0%
~30,000円程度 0.5%
~30,000円以上 0.5%
その他 2.9%
※複数回答
現金やギフト券の場合
~1,000円程度 26.4%
~2,000円程度 4.3%
~3,000円程度 23.1%
~5,000円程度 26.0%
~10,000円程度 9.6%
~15,000円程度 2.4%
~20,000円程度 1.9%
~30,000円程度 1.0%
~30,000円以上 1.9%
その他 3.4%
※複数回答
「お線香やお花など、供物の場合」では、「〜1,000円程度」が最も多く、次に「〜3,000円程度」、「〜5,000円程度」の順でした。
贈る品物の金額は、贈る方との関係性によっても変わりますが、ご遺族が負担を感じない程度の金額、1,000円〜5,000円程度で検討するとよいでしょう。
「現金やギフト券の場合」も、最も多かったのは「〜1,000円程度」でした。次に多かったのは、「〜5,000円程度」、その次が「〜3,000円程度」となっています。
金額に決まりはありませんが、一般的な相場は5,000円程度といわれています。
なお、2や4といった割り切れる数字の金額を包むのはタブーとされている地域もあるので注意が必要です。偶数は「割り切れる」ことから、故人との縁が切れてしまうことを連想させるため弔事では不適切とされています。
喪中見舞いにカタログギフトが好ましい?
喪中見舞いにカタログギフトをもらったら?
とてもうれしい 12.5%
うれしい 36.5%
どちらでもよい 39.3%
他の物の方がいい 2.8%
もらいたくない 9.0%
アンケートで「喪中見舞いにカタログギフトをもらったら、どう思いますか?」とお聞きしたところ、「とてもうれしい」「うれしい」と答えた方が約半数近くいらっしゃいました。
「他の物の方がいい」「もらいたくない」という方が約12%ですので、カタログギフトは9割弱の方に受け入れられている喪中見舞いの定番ギフトであるといえそうです。
カタログギフトは、受け取った方のタイミングで自由に品物を選ぶことができるのが最大のメリットです。ご遺族の方がうれしいと思うものを贈ることは、より気持ちに寄り添った喪中見舞いを贈ることになります。ぜひ、喪中見舞いの新しい選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
カタログギフトとセットで贈る選択肢も
次にカタログギフトにもう一品添えてお贈りする場合のアイテムについてのアンケート結果もご紹介します。
喪中見舞いを贈るときにカタログギフトとセットだとうれしいのは?
お菓子35.8%
線香・ろうそく30.0%
お茶19.0%
お酒6.5%
お花5.5%
その他3.3%
最も多かったのは「お菓子」で、2番目に多かったのは「線香・ろうそく」でした。
「お菓子」や「線香・ろうそく」は故人へのお供えものとして、「カタログギフト」はご遺族のお気持ちに寄り添う贈り物としてお贈りすることができます。
カタログギフトとセットで贈ることで、ご遺族と故人の両方にお気持ちを伝えることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
喪中見舞いの熨斗(のし)は?
喪中見舞いにお品物を贈るときは、熨斗(のし)をつけるのが一般的です。
熨斗(のし)の表書きには、「御供」または「喪中御見舞」と書かれたものを使用します。不祝儀にまつわる贈り物ですので、水引は黒白か双銀(関西地方の場合は黄白)、結び切りを選びます。四十九日までは「御霊前」、四十九日の忌明けからは「御仏前」の表書きを用いる場合もあります。
喪中見舞いはまだ知らない方も多い新しい風習です。贈り先さまが喪中見舞いをご存知ない可能性もありますので失礼のないよう、お品物だけでなく喪中見舞いの手紙を添えるようにしましょう。喪に服しているご遺族の方に寄り添った形でお悔やみの気持ちを伝えたいですね。
調査実施:ギフト総合研究所